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2009/11/30

『ゼロの焦点』  映画道

『ゼロの焦点』

2009年日本映画 131分
脚本・監督:犬童一心  脚本:中園健司
原作:松本清張
撮影:蔦井孝洋  美術:瀬下幸治  衣装デザイン:半田悦子
音楽:上野耕路  主題歌:中島みゆき「愛だけを残せ」
挿入歌:Platters「Only You (And You Alone)」
出演:広末涼子(鵜原禎子)、中谷美紀(室田佐知子)、木村多江(田沼久子)、西島秀俊(鵜原憲一)、鹿賀丈史(室田儀作)、杉本哲太(鵜原宗太郎)、崎本大海(鳴海亨)、野間口徹(本多良雄)、本田博太郎(金沢出張所所長・青木)、黒田福美(市長候補・上条保子)、市毛良枝(禎子の母・板根絹江)、モロ師岡(警部)、左時枝(大隈ハウスのおばさん)、小木茂光(憲一の元同僚・葉山警部補)、長野里美(宗太郎の妻)、小泉博(仲人)





昭和32年。板根禎子は10歳年上の鵜原憲一と見合いをして結婚を決める。結婚式から一週間後の12月1日。仕事の引継ぎの為、以前の勤務地である金沢に向かう憲一を上野駅で見送った禎子だったが、帰京する予定の8日を過ぎても夫は帰って来なかった。憲一の兄・宗太郎はそのうち帰ってくると言うが、禎子は汽車に乗って金沢に向かう。駅に着いた禎子は東洋第一広告・金沢営業所所長の青木と憲一の後任・本多良雄に出迎えられ、憲一が懇意にしていたという室田耐火煉瓦会社社長の室田儀作を訪ねる。受付にいた手が荒れ、癖のある英語を話す女性のことが気にかかる禎子。儀作の美しい後妻・佐知子は日本初の女性市長を目指して金沢市長選に出馬した上条保子を支援しており、屋敷には画家の卵の弟・亨も暮らしていた。そんな中、京都出張のついでと称して宗太郎が金沢にやってくるが、鶴来の旅館で赤いコートを着た女性に青酸カリを飲まされて死んでしまう。手がかりのないまま帰京する禎子は、本多に受付の女性を調べてもらうことを依頼する。調査の結果、女性の名前は田沼久子と判明。夫を亡くしたばかりで社長のコネで働き始めたという話だったが、その関係ははっきりしていなかった。更に久子のことを調べようとした本多もまた何者かに背中を刺されて殺害される。再び金沢を訪れた禎子は、8日に自殺したという久子の内縁の夫・曽根益三郎が憲一で、別れを迫られた久子に殺されたのではないかと疑うが、憲一の筆跡による遺書が残されていた。夫が立川署で警官をしていたと知った禎子は元同僚の葉山を訪ね、戦後の混乱期、米兵相手のパンパンの取締りをしていたことを知る。葉山に教えられて向かった大隈ハウスで見せてもらった当時の写真には、久子とともに佐知子の姿があった。一方、佐知子は久子を車に乗せ、雪の積もった夜の道を走っていた。

松本清張生誕100年記念作品。

予告篇では“アカデミー賞に輝く3女優が共演”などと謳っていたが、広末涼子さんはたまたま『おくりびと』に出演していただけだし、中谷美紀さんと木村多江さんも所詮は日本アカデミー賞(別名日本バカデミー賞)だし、誇大広告ばかりしているとJAROに通報されるぞ(笑)。
ま、木村多江さんを無名の頃から応援していた私としては、彼女がこんな大きな扱いをされるようになったことに感慨深いものを感じないではないが。

作品としては、正直2時間ドラマレベル。
金沢ロケや美術は頑張っていたとは思うが…。
市長選は本作オリジナルらしいのだけど、日本初の女性市長の誕生というのは新しい時代の象徴として効果的ではある。だが、新しい時代云々と言っておきながら、過去との決別の仕方があまりにもブサイク。自分の過去を知る人を殺さなければ新しい時代を生きられないのだとしたら、果たしてそんな時代に何の希望が持てるのだろうか。

ところで最初に出陣学徒壮行会の様子が映し出されたのは何の意味があったんだろう。てっきり憲一が出陣した際の出来事が事件に関わっているのかと思ったのだけど、怪我をして水泳が出来なくなったことぐらいしかなかったし、何度も肩の傷を見せる必要もあったんだかなかったんだか。
まさかそれが過去の傷の象徴とでも言うんじゃないだろうな。

広末涼子さんはそれほど悪いとは思わなかった。特に声が好きではないという意見をよく目にするけど、個人的にはそれほど気にならない。まぁ中谷美紀さんや木村多江さんに比べれば劣るのは仕方ないけどね。
その中谷さんは目が怖すぎで『ウルトラマン』のダダかと思った(笑)。
野間口徹さんの出番がこれだけ多い映画も珍しいかも。
禎子との電話で「事件記者になった気分でちょっと楽しくなってきた」なんて発言は明らかに失言なわけだが、その後殺されたのは罰が当たったに違いない(笑)。

しかし何が一番ひどいって主題歌ね。
中島みゆきさんは結構好きなんだけど、この映画にはまったくと言っていいほど合っていなかった。


★★
1



2009/12/11  2:09

投稿者:法水

>この私も、筒井康隆の小説は好きなのであります(笑)。
そうでしたか。どちらかと言うと初期の作品がお好きのようですね。

>あの頃は、同じショートショートでも星新一の方を選択していた記憶があります。
10代としてはそれが健全だと思います(笑)。

2009/12/4  21:36

投稿者:むーみん

>ツツイストたる私にとって松本清張氏は“敵”なのであります(笑)。

この私も、筒井康隆の小説は好きなのであります(笑)。
傑作短編の「笑うな」は、読んでいるこちらの笑いが止まりませんでしたし(笑)。
あとは“恍瞑党”や“総花学会”の「堕地獄仏法」、「東海道戦争」や「七瀬シリーズ」なども好きな作品ですね。
10代の頃は筒井流の「乱交パーティが始まった」に違和感を覚え、「こいつはエロ作家だ」と軽蔑していましたが(笑)。
あの頃は、同じショートショートでも星新一の方を選択していた記憶があります。

2009/12/3  0:36

投稿者:法水

ツツイストたる私にとって松本清張氏は“敵”なのであります(笑)。読んだことがあるのは『或る「小倉日記」伝』ぐらいのもので…。
一度『ゼロの焦点』ぐらいは読んでみます。

>「生誕100年」
田中絹代さんも生誕100年なんですが、さほど盛り上がっていませんねぇ…。

やはりなぜこの時代に『ゼロの焦点』なのかという点に尽きると思います。生誕100年だからという理由だけで作っているんでしょうけどね。どうせ東宝のことだから(笑)。

2009/12/2  13:32

投稿者:むーみん

清張ファンを自称する私、もちろん『ゼロの焦点』は何度も読んでいます。
それにしても、清張の作品は映画やテレビ(舞台)での使用頻度が高いですね。
今年は「生誕100年」というアニバーサリーに当たっているので、ある程度は仕方ないのですが(太宰治も然り)。
しかし、映像化することによって、原作の持つ味わいが一変することも多く、読者としてはその点が不満ではあります。
まぁ、清張作品の世界は昭和30〜40年代がメインですから、それも仕方ないか(笑)。

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