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2009/7/30

『ミツバチのささやき』  映画道

『ミツバチのささやき』
EL ESPIRITU DE LA COLMENA

1973年スペイン映画 99分
原案・脚本・監督:ビクトル・エリセ
脚本:アンヘル・フェルナンデス=サントス
撮影:ルイス・クアドラド  音楽:ルイス・デ・パブロ
出演:アナ・トレント(アナ)、イサベル・テリェリア(イサベル)、フェルナンド・フェルナン・ゴメス(フェルナンド)、テレサ・ヒンペラ(テレサ)、ケティ・デ・ラ・カマラ(使用人ミラグロス)、エスタニス・ゴンザレス(警察署長)、ホセ・ビリャサンテ(フランケンシュタインの怪物)、ホアン・マルガリョ(逃走兵)、ラリ・ソルデビリャ(ルシア先生)、ミゲル・ピカソ(ミゲル医師)





1940年頃、スペイン中部のカスティーリャ高原の小さな村オユエロスに一台のトラックが入っていく。移動巡回映写のトラックで、映画は『フランケンシュタイン』。喜ぶ子供たちの中にアナと姉のイサベルがいた。その頃父のフェルナンドは、養蜂場でミツバチの巣箱を点検する作業をしている。母のテレサは、室内にこもって内戦で荒れはてた家や人々の様子を手紙に書き綴っている。いったい誰に宛てている手紙なのか、毎週のように駅に向かい、列車に投函する。公民館のスクリーンには、少女メアリーが怪物フランケンシュタインと水辺で出会う美しいシーンが展開している。そのシーンに魅入られたアナは姉からフランケンシュタインが怪物ではなく精霊で、村の外れの一軒家に隠れていると聞いた。学校の帰りにアナはイサベルにその一軒家に誘われる。後で一人でそこを訪れたアナは、大きな足跡を見つける。夕方、イサベルは黒猫と遊んでいる。アナは父母のアルバムを見る。父あての母のポートレートには、“私が愛する、人間嫌いさんへ”とある。網の中のミツバチにささやきかけるアナ。夜ふけに一人起き上ったアナは外に出る。列車から兵士が飛び降り井戸のある家に入って行く。彼はアナに拳銃を向けるが、子供だと知るとやさしくなる。足を怪我した兵士は動けない様子だ。大きなリンゴを差し出すアナ。二人はアナが持って来た父のオルゴール時計で遊ぶ。その夜、井戸のある一軒家に銃声が響いた。翌朝、フェルナンドが警察に呼ばれる。オルゴール時計のせいだ。公民館に横たえられた兵士の死骸。食事の席でオルゴール時計をならすフェルナンド。アナにはすべてが分かった。井戸のある家に行き血の跡を見つめるアナ。その日、夜になってもアナは帰らなかった。心配する家族。その頃、森の中のアナの前に、映画で見た怪物そっくりの精霊が姿をあらわした。発見されたアナは昏睡状態に陥っていた。家族のみんなが見守る。深夜、一人起き上がるアナ。窓をあけ、夜空を見つめるのだった。【「キネマ旬報DB」より】

ビクトル・エリセ監督、長篇デビュー作。

いやあ、見入ったなぁ。
本篇で上映される1930年の映画『フランケンシュタイン』がそうであるように、この作品も生と死の物語。
アナは映画を観てなぜフランケンシュタインの怪物が少女を殺したのかを疑問に思い、その後の学校での人形を用いた臓器の授業、毒キノコを踏み潰す父、向かってくる列車の前でしばらく動かなくなるアナ、死んだふりをするイサベルといった具合に生と死をめぐるメタファーが散りばめられる。
それが脱走兵の死という現実の死を経て、アナは自分自身の生を理解する。
最後の「私はアナです」というつぶやきはスペイン語にすると"Soy Ana"。"soy"は英語の"be"と同じであり、「存在している」という意味でもある。ここではっきりと自分という存在を確認したアナを月明かりが包み込むように照らし出すラストショットはもうただうっとり。

何と言ってもアナ・トレントちゃんが素晴らしい。
単に可愛いというレベルではなく、その瞳は絵に描いたように純粋無垢そのもので存在感があり、彼女なしにはこの作品は成立し得ないと言っても過言ではないだろう。

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