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2008/12/31

『K-20 怪人二十面相・伝』  映画道

『K-20 怪人二十面相・伝』

2008年日本映画 137分
脚本・監督:佐藤嗣麻子  原作:北村想『完全版 怪人二十面相・伝』
撮影:柴崎幸三  美術:上條安里  編集:宮島竜治  脚本VFX協力:山崎貴
音楽:佐藤直紀  主題歌:オアシス「ショック・オブ・ザ・ライトニング」
出演:金城武(遠藤平吉)、松たか子(羽柴葉子)、仲村トオル(明智小五郎)、國村隼(源治)、高島礼子(菊子)、本郷奏多(小林芳雄)、益岡徹(浪越警部)、鹿賀丈史(謎の紳士・殿村弘三)、今井悠貴(シンスケ)、大滝秀治(葉子の祖父)、小日向文世(サーカス団団長・南部)、串田和美(八木博士)、要潤(助手)、松重豊(留置所の男)、嶋田久作(デザイナー)、斎藤歩(研究所所員)、木野花(女中)、飯田基祐、猫田直(女中)、藤本静(女中)、大堀こういち(泥棒長屋の住人)、高橋努(同)、田鍋謙一郎(同)、神戸浩(同)、市野世龍(同)、段丈てつを(同)、矢柴俊博(記者)、北村想[クレジットなし](聴衆)




第二次世界大戦のなかった世界。1949年、帝都。19世紀から続く華族制度により極端な格差社会が生まれる中、富裕層の美術品や骨董品ばかりを狙った怪人二十面相が世間を騒がせていた。ある日、サーカスの曲芸師・遠藤平吉は会場に現れたカストリ雑誌の編集者・殿村弘三から名探偵・明智小五郎と令嬢・羽柴葉子の婚約式の写真を撮ってきて欲しいと頼まれる。一方、明智のもとには怪人二十面相から《バベルの塔》を盗むという予告が届き、浪越警部らが警備に当たっていた。南部団長の治療費のために依頼を引き受けた平吉だったが、カメラのシャッターを押した途端に爆発が起こり、怪人二十面相と間違えられて逮捕され、一斉に報道される。輸送中に仲間の源治たちの手によって脱走に成功した平吉だったが、サーカスのテントがあった場所は焼け野原と化していた。顔も出せず、戻る場所を失った平吉は源治と妻・菊子が住む泥棒長屋に暮らし始める。やがて泥棒長屋に伝わる秘伝の書を基に泥棒になるための特訓を始める平吉。そんな折、葉子が怪人二十面相に追いかけられている場面に遭遇した平吉は、葉子を救い出して長屋に連れて帰る。貧しい暮らしをしている子供たちを見た葉子は自分のなすべきことに目覚めるとともに、明智に平吉が二十面相ではないと証言し、協力して《バベルの塔》に隠された謎を解き明かそうとする。

ROBOTの阿部社長が20年越しの念願を叶えて北村想さんの原作小説を映画化。
VFXは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの白組。

北村想さんは名古屋で活動しているということもあり、たびたびこのブログでもその上演作品を紹介しているが、まさかその著書がこんな大作として映画化されるとは。
ちなみに冒頭、八木博士の助手が正体を現したときに「怪人二十面相だ!」と言うのが原作者。

20年越しの企画というとかなり力が入っているようだが、その割には原作はほとんど原形を留めていない。原作はあくまで江戸川乱歩が作り出した作品世界を崩さずに怪人二十面相の正体にスポットを当てていたが、今回の映画化ではまず第二次世界大戦がなかったという別世界の設定。
当初、その辺りに不安はあったものの、華族制度が残っていて云々という設定の変更は現在の格差社会も反映してなかなかうまいアイディアだとは思う。まぁリアルに戦後の日本を再現したところで『ALWAYS』とかぶってしまうから、これはこれでよかったのかも知れない。

作品自体は至極真っ当なエンタテインメント大作に仕上がっている。
これほど単純に入り込めた日本映画も久々かも。
なお、原作では初代は平吉の師匠でもある武井丈吉という人物だったが、それも変えてある。誰であるかは一応隠しておこう(笑)。

原作ではほとんど出てこない葉子役の松たか子さんが実にいい。
令嬢としての言葉遣いや所作は元々の育ちのよさが表れ、逃亡の際にドレスの裾をはいだり、泥棒長屋でシャンプーが欲しいシャワーが欲しいと言ったりする辺りではコメディエンヌとしての魅力に溢れている。
これまで舞台での松たか子さんはすごいけど、映画やドラマではその魅力は活かし切れていないと思っていただけに、今回の葉子役は思わぬ収穫。


★★★
1



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