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2008/8/28

業田良家『新・自虐の詩 ロボット小雪』  読書道

『新・自虐の詩 ロボット小雪』

著者:業田良家
出版社:竹書房
発売日:2008年7月30日




いつの間にか刊行されていた業田良家さんの新作。
業田作品というだけでもその質は保証されたようなものだが、タイトルに「新・自虐の詩」とついてしまっては期待するなという方が無理というもの。

舞台は近未来の日本。
琢郎の恋人・小雪は正式名SOZY・HPIIXというロボット。
父とロボットの開発者である母にもそれぞれ恋人ロボットがいて、友人・広瀬の恋人・亜紀や元彼女・仁子の恋人ももちろんロボット。新型のロボットが欲しい拓郎は株価のチェックに余念がない。
そんなある日、広瀬の父親の会社が倒産して、“向こう岸”に移り住むことになる。
格差社会の果てにできた“向こう岸”は、治安が悪く、環境も劣悪。
次第に感情を持ち始めた小雪は広瀬一家を救うべく“向こう岸”に乗り込む。

『自虐の詩』では「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある」と高らかに人生を讃歌して見せた業田良家さんが、本作では拓郎の母に「邪悪な心を持ったロボットであれば人間はそれと戦うことができる。でも本当に美しい心を持ったロボットだったら人間はロボットに従うしかなくなる。その時人間はいらなくなる…人間はいらなくなるよ」と内省させている。
形式や内容からすると、『男の操』の方が「新・自虐の詩」にふさわしいと思うが、この作品にあえてその題名をつけたあたりに業田さんの深い絶望感が伝わってくる。

ただ、正直に言うと、あまりにも期待しすぎた。
少なくとも『自虐の詩』のような「号泣」を期待してはいけない。
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