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2008/8/4

『純喫茶磯辺』  映画道

『純喫茶磯辺

2008年日本映画 113分
原作・脚本・監督・編集:吉田恵輔
撮影:村上拓  音楽プロデューサー:横山剣、荻野知明
音楽:CKB-Annex(高宮永徹、高橋利光、河合わかば)
テーマ曲:クレイジーケンバンド「男の滑走路」
出演:宮迫博之(磯辺裕次郎)、仲里依紗(磯辺咲子)、麻生久美子(菅原素子)、濱田マリ(麦子)、近藤春菜[ハリセンボン](江頭麻子)、ダンカン(小沢)、和田聰宏(安田)、ミッキー・カーチス(本郷)、斎藤洋介(柴田)、伊藤明賢(素子の元彼・竹安)、田島ゆみか(マナ)、悠木碧(カナ)、明樂哲典(居酒屋店主)、堀越のり(キャバ嬢)、三島ゆたか(改装業者)、踊子あり(ミーちゃん)、あべこうじ(馬場)、矢柴俊博(喫茶「マンボウ」のマスター)




今朝も無愛想な表情で工事現場に現れた、水道工員の磯辺裕次郎。8年前、妻が家を出て以来、高校生の一人娘・咲子と公営団地に二人暮らしの身だ。ある日、父が急死したことで多額の遺産が舞い込むことになった裕次郎は、仕事に行かなくなってしまう。だが、偶然入った喫茶店でマスターが美女と楽しく会話している光景を目の当たりにした裕次郎は、遺産を元手に喫茶店を始めると宣言。何の計画性もないまま、とりあえず食品衛生責任者の資格を手にし、地元の商店街に喫茶店をオープン。店名は娘の意見などに耳を傾けず、<純喫茶磯辺>とする。店名だけでなく、内装もかぎりなくダサい。そんなダメ親父の行動に呆れ返りながらも、放っておけない性格の咲子は、夏休みの間、店の手伝いをすることになる。アルバイトの江頭とともに迎えたオープン初日。やってきたのはヤクザの2人組ぐらいで、その後も客足はサッパリ。プレゼントの携帯ストラップも大量に余ってしまう。そんな中、店に来た菅原素子に一目惚れした裕次郎は、彼女がバイト先を探していることを知ってすぐに採用。咲子には下心がミエミエだと批判されるが、時給が高い店を紹介して江頭を辞めさせてしまう。更に駅前でビラ配りをしても効果が上らず、ミニスカートの制服を採用。咲子は頑として拒否するが、素子は平気な顔で制服姿に。これが功を奏して、いつしか店内には常連客が入り浸るようになる。いつも葉巻片手にカウンターに座り、裕次郎よりもマスターぽい本郷に、誰かれ構わず出身地を聞く熊本出身の柴田。そして、明らかに素子へのセクハラ目的な小沢。そんな中、店内で新作を執筆している小説家の安田に惹かれていく咲子。ある日、新作を読んで欲しいと頼まれた咲子はオシャレをして彼のアパートを訪れるが、部屋中にカメラが隠されていることに気づいて逃げ出す。一方、裕次郎と咲子は仕事帰りに飲みに行くなどいい雰囲気に。咲子は再婚相手とも離婚して一人暮らしをしている母親の麦子のアパートにたびたび立ち寄るようになる。ところが、素子の帰りを待ち伏せしていた元彼・竹安が話し合いに応じようとしない素子に手を上げる。次の日の夜、裕次郎が居酒屋で素子の話を聞いていると、咲子がやってくる。自分が最低の女だという素子は、小沢とヤッちゃったと発言。裕次郎はショックを受ける。翌日、裕次郎は店に現れて素子にセクハラ行為を行う小沢に殴りかかり、咲子の友人マナとカナがいる前で乱闘騒ぎを起こし、警察の厄介に。数日後、店を辞めた素子と偶然出会った咲子は、素子から預かった手紙を裕次郎に渡し、素子が故郷の北海道に帰ることを告げる。

『机のなかみ』の吉田恵輔監督、最新作。
劇中、客の中にあべこうじさんと踊子ありさんの姿あり。役名からすると『机のなかみ』の設定そのままでの出演ということらしい。

『ジャージの二人』同様、特に大きな事件が起きるわけではないが、こうも印象が違うのは仲里依紗さんと麻生久美子さんのお陰ばかりではないだろう(いや、やっぱりそうかな。笑)。

登場人物たちは「ほら、アレだ」とか「アレでしょ」とか「アレしといて」などとやたらと“アレ”という言葉を使う。具体的に言わなくても何となく分かってしまうということが実際の会話の中ではよくあるが、映画でここまで“アレ”を多用した作品はちょっと記憶にない。
言いにくいことをはっきりと口に出して言うのは時としてかなりの勇気を伴う。
あるいは“アレ”で済ませておいた方がうまく行くこともある。
本作の場合、素子の「しょうがないんですよ、私、ヤリマンですから」という告白により、裕次郎がそれまで描いていた空想は泡と消え、堕落の一途をたどる。

最初に大きな事件が起きるわけではないと書いたが、少なくとも咲子にとってはそうではなかった。
1年後、パチンコ屋から出てきた妊娠中の素子と再会した後、ツブれた店をベニヤ板越しに見て涙したのは、ダサくて嫌々手伝っていたはずの店が彼女にとっていかに大切な場所だったかを示している。
この一連のシーンで咲子は、素子に店がツブれたことを言わずにポルトガル人のバイトを雇ったという話をして、裕次郎には素子が結局、北海道には帰らず、親切にしてくれたJRの人といずれ結婚することになるということを言わないでおく。
以前、居酒屋で素子にズバズバとヒドいことを言って謝ってなかったことを後悔していた咲子は、言わないでおくというコミュニケーションの術を学んだ。
「純喫茶磯辺」の店内に工藤静香さんの「MUGO・ん…色っぽい」のジャケットが飾られていたのは偶然ではあるまい(ホンマかいな)。

仲・麻生両名ともによかったが、他には咲子の友人役でいつもアイスキャンデーを食べている田島ゆみかさんが抜群にうまかった。『てるてる家族』の頃から光っていたけど、これでもう少し可愛いければなぁ…(爆)。


★★★
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2008/8/8  0:21

投稿者:法水

アイスキャンデーを食べながらあそこまで自然な演技はできませんよ(笑)。仲さんは『渋谷区円山町』あたりもお薦めですよ。

2008/8/5  22:10

投稿者:neokamakiri

仲さん良かったですねぇ、と言おうと思ったら、田島ゆみかさんですか(爆)
確かに良かったですけども、目の付け所が違いますねぇ。恐れ入ります(笑)

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