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2008/7/8

『山桜』  映画道

『山桜』

2008年日本映画 99分
監督:篠原哲雄
脚本:飯田健三郎、長谷川康夫  原作:藤沢周平
撮影:喜久村徳章  美術:金田克美  編集:奥原好幸
音楽:四家卯大  主題歌:一青窈「栞」
出演:田中麗奈(磯村野江)、東山紀之(手塚弥一郎)、篠田三郎(浦井七左衛門)、檀ふみ(浦井瑞江)、富司純子(手塚志津)、北条隆博(浦井新之助)、南沢奈央(浦井勢津)、村井国夫(諏訪平右衛門)、永島暎子(磯村富代)、高橋長英(磯村左次衛門)、樋浦勉(源吉)、千葉哲也(磯村庄左衛門)、途中慎吾(新之助の友人・服部兵馬)、並樹史朗(保科忠右衛門)、石原和海(堀井甚兵衛)、松澤仁晶(治平)、村尾青空(さよ)、藤井玲奈(磯村家・たか)、矢柴俊博、諏訪太朗(長五郎)、時任歩[現・時任亜弓](時奴)




江戸後期。北の小国、海坂の地。うららかな春の花曇りのもと、ひとり野道を歩く女性がいる。名を野江。野江は若くして、すでに二度の不幸な結婚を経験していた。最初の夫には病で先立たれ、二度目の嫁ぎ先である今の磯村家は、自分が育った浦井の家とはまるで世界が違っていた。武士でありながら蓄財に執着する夫と舅、野江を「出戻りの嫁」と蔑む姑。しかし二度の失敗は許されない。そう心に言い聞かせ、野江は嫁として懸命に耐え続けていた。叔母の墓参の帰り、山道で薄紅色の花をいっぱいにつけた一本の山桜に出会う野江。その美しさに思わず手を伸ばすが、枝は思いのほか高く、花には届かない。そんな野江の背中に突然、男の声が響いた。「手折ってしんぜよう」振り返る野江。折った枝を差し出すその武士は、手塚弥一郎と名乗った。野江はその名に驚く。それは彼女が磯村に嫁ぐ前、縁談を申し込まれた相手だった。密かに見初めてくれていたとの話だったが、母一人子一人の家と聞き、会うこともなく断ってしまったのだ。野江をじっと見つめ、弥一郎が静かに口を開く。「今は、お幸せでござろうな」思いがけない言葉に戸惑う野江。今の境遇を押し隠し、ただ「……はい」とだけ答える。「さようか。案じておったが、それは何より」と微笑み、弥一郎は去っていった。山桜に引き寄せられたかのような、ただ一度きりの偶然の出逢い……。──どこかで自分のことをずっと気遣ってくれている人がいる。そう思えるだけで、野江の胸の中にぬくもりが広がった。そしてそんな思いに励まされるように、野江は磯村の家に尽くす日々を、再び健気に、すごし始める。手塚弥一郎が、突然城中で藩の重臣、諏訪平右衛門を斬ったのは、それから半年後のことだった。豪農と組んで農民を虐げ、私腹を肥やし続ける諏訪に対し、これまで藩内に声を上げる者はなかった。そんな中、弥一郎はわが身を犠牲にして刃を振るったのだ。帰宅した夫からそれを聞き、愕然とする野江。弥一郎の所業を侮蔑し、「切腹は必至」と笑い飛ばす夫に、野江の血が逆流する。思わず手にした夫の羽織を打ち捨てたことで、ついに磯村家から離縁を言い渡され、野江は浦井の家に戻った。弥一郎には即刻切腹の沙汰が下ると思われたが、擁護する声も強く、藩主が江戸から帰国する春まで裁断を待つこととなった。雪に閉ざされた長く厳しい冬の間、野江は獄中の弥一郎の身を案じ、ひたすら祈り続ける。そして海坂の地にまた穏やかな春が訪れる。藩主の帰国まであとひと月となったある日、野江は、一年ぶりにあの山桜の下に立つ。花をいっぱいにつけた枝を手に訪れた先は、手塚の家だった。出迎えたのは、ただ一人、息子を待ち続ける弥一郎の母。彼女からの予想もしなかった言葉が野江を包み込み、その心を溶かす。それは野江の新しい季節の始まりだった──。【公式サイトより引用】

藤沢周平さんの短篇小説を篠原哲雄監督&田中麗奈さんの『はつ恋』コンビで映画化。
「山桜」と言うから石川淳さんの原作かと思ったのに(笑)。

これも一種の「はつ恋」。
野江(どうでもいいが、最初は「萌」と言っているのかと思っていた。笑)は2度の結婚をしているが、死別した最初の旦那にしても今の磯村にしてもさほどの愛情は抱いておらず、恐らくは親に言われるがままの結婚だったのだろう。実家に戻っても、しきりに自分がいたら弟の縁談に支障を来たすことを気にするあたりも彼女が自分の意思よりも世間体を気にするタイプで、最後まで一人だった叔母とは違うということが分かる(もっとも当時はそうした女性が大半だったのだろうが)。
手塚が剣の達人と聞いて酒を飲む粗暴な男を想像して縁談を断ったというのも、彼女の視野の狭さ、世間知らずなところを現している。
そんな彼女が初めて手塚に逢い(手塚と言われてなかなか思い出せなかったのはそれだけイメージとかけ離れていたということだろう)、思いがけない言葉をかけられ、更に弟から手塚がずっと自分のことを見ていたと知らされて、初めての恋心が芽生える。単純と言えば単純(笑)。

話としては手堅くまとまっている。善悪の対立関係も分かりやすすぎるぐらいで。
ただ、原作では手塚の方が主人公らしいのだけど、野江を主人公に持ってきたことでそのあたりがちょっとどっちつかずになってしまった感は否めない。
中盤なんて野江の出番、ほとんどないし(笑)。
考えてみれば、2人が出会うのって冒頭だけなんだよな。
それでも最後は雪が解けて春となるように、2人にも明るい未来が待ち構えていることが感じられてよかった。

時代劇初挑戦となる田中麗奈さんはなかなかよかったが、やっぱり猫娘の方がお似合い?(笑)
東山紀之さんは台詞の少ない役ながら、その佇まいが美しい。諏訪とその取り巻き(ここに野江の夫がいなかったのはややご都合主義)に斬りかかるシーンも絵になる。
事前に主題歌の使い方が酷いという意見を耳にしていたが、さほど気にはならなかった。確かに多少うるさいところはあったけど、台詞部分も少しだし、作品をぶち壊しにするほどではなかったと思う。


★★1/2
2



2012/5/21  21:04

投稿者:法水

いえいえどういたしまして。どうぞごゆっくり。( ^-^)o旦~~

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