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2008/6/23

『黒い土の少女』  映画道

『黒い土の少女』
검은 땅의 소녀와/With a girl of black soil

2007年韓国映画 89分
原案・脚本・監督:チョン・スイル  脚本:チョン・スニョン
撮影:キム・ソンテ  音楽:ケ・スジョン
出演:ユ・ヨンミ(チェ・ヨンリム)、パク・ヒョヌ(チェ・トング)、チョ・ヨンジン(チェ・ヘゴン)、ユ・スンチョル(キム老人)、イム・ジンテク(ヨンフン)、ソン・ジヒョン(ジソン)、カン・スヨン[特別出演]




人里離れた江原道のとある村。かつては炭鉱業の発展で栄えた土地だったが、今は廃鉱寸前のヤマを抱え、時代に取り残された場所となっていた。ヨンリムは9歳の少女。炭鉱夫の父ヘゴン、軽い精神障害を持つ兄トングと3人暮らしだが、小さいながらもしっかり者で、一家にとっては母親代わりの存在となっていた。ある日、ヘゴンはじん肺症にかかり、会社をクビになってしまう。だが、入院するほどではないので、障害者退職扱いも受けられない。仕事を探しに行った職安で声をかけられた男から、ヘゴンは社宅退去の補償金でトラックを買い、魚を売る商売を始める。トラックで学校に迎えに来た父に、ヨンリムもトングも大喜びだった。しかし、トラックが乗用車とぶつかってしまい、示談交渉の最中にトラックに保険がかけられていないことが発覚。騙されたヘゴンは怒って男の会社に殴り込むが、逆に殴られてしまう。それ以来、ヘゴンは働きもせず酒をあおるようになり、一家の生活は困窮していった。どんな時でも明るくふるまい、父や兄をいたわっていた健気なヨンリムも、次第に小さな胸を痛めるようになる。酔った父の言いつけで買い物に出た時、ついに万引きまでしてしまったヨンリム。このままではいけない。そう思ったヨンリムは、皆が生きて行くためにある決意を固め、兄を養護施設に送り届ける。そして…。【「ASIAN CROSSING」より引用】

今年で2回目となる韓国アートフィルム・ショーケース上映作品。

救いがねぇよう。救いが。
冒頭は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』よろしく炭鉱で黙々と働く父ヘゴンの姿を映し出す。ところがじん肺症と診断されて退職を余儀なくされ、再就職もうまくいかずに酒におぼれる日々を送る破目に。
しかも11歳の兄は3歳児の知能レベルで目が離せない。
解説などでは“母親代わり”などと書かれているが、9歳の少女ヨンリムに一体どないせいっちゅうねんという展開の数々。

遂には父に酒を買ってこいと言われて、コンビニエンスストア(ちなみにファミリーマート)で酒とインスタントラーメン(ちなみに辛ラーメン)を万引き。
帰って来たら兄が怪我をして泣いている。鶏の仕業だと分かり、ほうきか何かで叩き殺すヨンリム。もはや何かたがが外れてしまったかのようで、万引きのときはまだ悲しげな顔をしていたのが、徐々に表情が失われていく。
友達のジスンの父親が入院することになり、一家は引越し。
バスに乗って兄を施設に置き去りにし、自分の父親ももっと病気が重ければ入院できるということで、隣のキム老人からもらった“ネズミいらず”をラーメンの鍋に…。

最後に出てくるバス停のシーンが印象的。
最初は兄と仲睦まじく雪合戦をしながら父が来るのを待っていたのが、最後はヨンリム1人でバスを待つ。やがてバスは来るが、彼女は乗り込まずにバス停に取り残される。
もはやどこに行くこともできない。
この絶望的なまでの閉塞感。
ユ・ヨンミちゃんの表情が頭から離れそうにない。


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