その6からの続き。
←ハーフドームの頂上。ヨセミテバレーの方角。2年前にはこの同じ場所で
結婚式を挙げたりプロポーズしていたカップルの姿を見かけた。
今回は暑くもなく寒くもなく。頂上はさすがに風が少しあったが、 →続きは、水素爆弾級、をクリック
この季節(9月下旬)にしては暖かかった。

わーい、頂上だーっ。今回一緒に行った仲間たち。午前11半ちょっとまえに登頂。→
2人ともすごい体力と精神力の持ち主で、これまでにもニューメキシコへの遠征やヨセミテ各地の山々などを制覇している。
頂上には少し短かったが40分くらいいたかな。

←さて、今回の登山で忘れられない出来事があったのはこの後だった。
下山し始めたのは午後0時過ぎ。下山するときは、登ってきたケーブルを再度降りるのだが、降りるときってこの写真みたいに落ち込んでいる先が見えず、とてつもなく怖い。
数十メートル進めば先、というか眞下が見えてくる。最初に真下までの景色をのぞき込むと、大概の人はそこで息を飲んで止まってしまい、再び動き出すまでに20秒くらいかかる。
今回、降り始めてから半分くらいまではほとんどストップすることなく、とってもスムーズに降りれた。ケーブル上で登ってくる人とすれ違うときは、下から見上げて登りの人が右側、下りの人が左側という暗黙の了解がある。
だれもいないときはもちろん、両手で両側のケーブルをつかんで登ってもいい。だが大概は逆方向の人とすれ違うことが多い。

無事、げざ〜ん。→
しかしこのときは、半分くらいまで進んだ時にいきなり前方を降りる人が止まってしまい、数分たっても動かない。どうしたのかと思って様子を見ていると、あちゃ〜、やってもうたがな、ネバダ滝の上で死にそうになってた日本人らしきグループのおばちゃんが、死にそうな形相で登ってくるのが見えた。
それも、本来は下山者が使う側のケーブル左側を、他人の迷惑顧みず黙々と登ってくる。こりゃ〜だめだ。止まるはずだわな。一般にアメリカのハイカーは意外と優しい人が多いので、ちょっとくらいみんなの迷惑になっていてもあまり文句を言わない人が多い。
このときもそうだったのかもしれないが、だれも日本人おばちゃんに注意していない。しかしみりゃ〜分かるだろ。この人、登山の常識も知らずに日本でも山とか登ってんのかな。それとも日本での登山のマナーって、まだその程度なのかな。

←見りゃあ分かるでしょ、右側が登り、左側が下り。
とにかく、そのおばちゃんが僕ちんの手前まで上がってきた時、同じ日本人としてものすご〜〜〜〜く恥ずかしかった。
でも周りの人に僕ちんも同じ日本人とは思われたくない。こんな高山上の変な所でカッコつけちゃう私って、アホなんでしょうが、思わず英語で「そっち側は下山者が使う側だから、あんさんは反対側を登ってきなはれ」と叫んでしまった。
周りにいたほかのハイカーも「ウン、ウン」とうなづくのが見えた。はあ〜、こんなところまできて交通整理かよ。
ところが、爆弾はこのおばちゃんだけじゃなかった。水素爆弾級のオヤジが、このあとに控えていたのだった。
その8へ続く。

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