その3からの続き。
▽宿泊プラン拡充も
この日の宿はナパのダウンタウンだったので、名残惜しかったが午後5時過ぎには幻ビンヤードを出た。
途中、心配された渋滞が少々あったものの、ほぼ問題なくHennessey Innに到着。ここはゴールドラッシュ時代の昔、医者のHennesseyが立てた大邸宅で、その後B&Bに改造。なんどか人手に渡った後に、シリコンバレーから移り住んだ現オーナーが購入したものだ。
これまで複数日でワイナリーツアーをしたいという希望があったときには、 →続きを読むをクリック
(↑今回泊まったHennessey Innの外観)
必ずといっていいほどサンフランシスコでの宿泊を勧めていた。というのも、ナパは宿代が高く、サンフランに泊まったほうがよっぽど経済的だったからだ。

(Hennessey Innの中庭。住宅地にあるので、夜はとても静か→)
しかしここへ泊まってみて、考えが変わった。B&Bで高めの料金に設定されてるとは言っても、朝食やサウナ付きで細やかなサービスが行き届いていることを考えれば、決して無駄ではない。宿泊プランの拡充も考えてみよう。
▽オーナーからの手紙も
またチェーンホテルにはない個性的な部屋のデコレーションが気に入った。部屋はアンティーク朝に装飾され、一部屋一部屋つくりが違う。ウエルカムドリンクやチョコ、ゲストの名前が入れられたオーナーからの手紙など、決め細やかさが感じられる。

(←Innのリビングルーム。ほかの泊まり客と談笑したり、ワインやコーヒーを飲んだりもできる)
これは勉強になった。値段も手ごろだし。これからは泊りがけでナパ・ソノマの依頼が来たら、どんどん受けてみようと思った。
▽うれしい申し出
チェックイン後、KさんたちがYountvilleのBistro Jeantyというレストランに予約を取っていたので、送っていくことにした。僕はFume Bistro & Barに久しぶりに行ってみたかった。

(朝食が出される食堂。コーヒーやフルーツが常時置いてある→)
そこでKさんたちをBistro Jeantyに送った後、僕はFume Bistro & Barで食事して、その後にKさんたちを迎えに行こうと思っていたのだ。
でもNさんが「中村さんもご一緒しませんか」と、まことにうれしいお申し出をされてきた。

(←ボリュームある朝食。マフィンなども毎朝手作り)
通常僕ちんは、ご夫婦とかカップルの方の場合は、食事はじゃまにならないようにほかの店か、あるいは同じ店でも別テーブルで摂ることにしている。その方が落ち着くだろうし、2人だけの時間を過ごせるからだ。
▽変な人
しかし同席を希望されれば、ご一緒させていただくこともある。Kさんの場合は英語もおできになるし、ワインや料理にも詳しそうだった。このためわざわざ同席して世話を焼くよりも、お2人でゆっくり過ごされるほうがいいだろうな、と勝手に思い込んでいた。

(Opus Oneの試飲室→)
だがNさんは「最初お会いして、変な人だったらこんな申し出はしませんが、もっとお話を聞いてみたいですから」とおっしゃった。
これには、思わず噴き出してしまった。よかったー、変な人って思われなくて。わっはっはっは。でも自分自身では、かなり変な人だなって思うことがよくあるんだけど。
▽おいしかったSchramberg
Bistro Jeantyは、Yountvilleの真ん中にある。店内は手前に10テーブルほど、奥にもさらに10テーブルほどあり、このほかテラス席もある。やや薄暗い照明だが、フレンチっぽいポスターや装飾品が壁にかけられ、雰囲気がすごくいい。

(←お城のような建物の中にあるロビー兼テイスティングエリア=Vine Cliff)
僕たちは奥の部屋へ通された。まず、スパークリングワインとワインをサジェスチョンしてあげた。スパークリングは、シャンドンとSchrambergのグラスを1杯ずつ取った。有名なシャンドンよりも、お勧めしたSchrambergの方が気に入ってもらえてうれしかった。1番好きなGloria Ferreがかなったのは残念だたが。

(めずらしい破砕作業。茎と実を分けたあと、1粒ずつ検査=Vine Cliff→)
ワインはJack Larkinのカボネー。これは試飲室も持っていないほど小規模のナパにあるワイナリーで、飲んだことはなかった。しかしなかなかいける味だった。
面白い話やおいしい料理で、ナパの夜は楽しく更けていった。
▽たっぷりの朝食
翌朝はたっぷりの朝食で始まった。Hennessey Innでは朝食が午前9時からだが、ワイナリーはほとんどが同10時過ぎからしか開かないから、遅くても十分余裕があった。

(←乾いてレーズンになったものはこうやって除去。でないと糖度が上がりすぎ、アルコールが高くなってしまう)
この日はまず、Opus Oneを訪問。続いてシルバラード・トレイルのVine Cliffへ行った。鉄のゲートががっちり閉まっているので、アポを取った人しか入れてもらえない。
門をくぐると知り合いのWendyが応対してくれた。アート好きなオーナーの奥さんが、庭園や洞窟を美しく飾り立てていて、いつ行ってもVIP待遇をしてくれるのがうれしい。
▽珍しい作業見学

(陽光まぶしいビンヤードで、気さくなウエンディー=左=からワインを注いでもらう=Vine Cliff→)
この日は特に、工場で収穫破砕作業をおこなっていた。こういう作業は年に数日、大きなところでも数週間しか行っておらず、作業現場をつぶさに見学できるのは珍しい。まったくラッキーだった。
CardinaleやShaferなどのプレミアムワインを作るところはどこも、最高級のブドウを収穫後、さらにブドウの実1つずつをコンベヤーに流す。

(←美しいVine Cliffの貯蔵洞窟内)
それを10人近くの作業員が視認しながら残った茎、ゴミ、葉、レーズンになってしまった乾いた実、未成熟の実などを取り除いていく。ここも同じで、この朝早く摘み取った実を機会に落とし込み、作業が続いていた。
Wendyの案内で工場内を見たあと、ビンヤードでもワインを飲ませてもらった。最後にメインビルディングに戻り、残りのカボネーなどのリザーブワインを試した。
▽オリーブ林でピクニック
こういったVIP待遇はやはりうれしい。満足感120%でここを後にした。時間が少しあったので、ワインの箱の購入を兼ねて、予定になかったRutherford Hillへ向かった。ついでなので、メルローなどを少し試す。

(Rutherford Hillのオリーブ畑でお昼のサンドイッチをかじる→)
ここからV. Sattuiへ向かいサンドイッチを購入した。だがピクニックエリアは混雑していた。このため今行ったばかりのRutherford Hillに戻り、静かなオリーブ林のピクニックエリアで昼食を摂った。
Whitehall Laneに向かう。平日だったので、Reserveは出してくれないかもしれない。前回行ったときは週末だったので、2000年から2005年までのReserveを5種類、試させてくれた。
▽大トリにCardinale
だが今回は2005年もののほかは、スタンダードものばかり。2003年以前のReserveがおいしいのだが、出してない日は仕方がない。ここは今改装中で、春までにはもっと大きな試飲室や会議室を備えるという。楽しみだな。

(←Cardinaleのテイスティング・ルーム)
さて、2日間最後のワイナリーであるCardinaleへやってきた。大トリに一押しのワインを持ってくることができて、満足満足。
例によってBrianの案内で、塩やチョコ、枝豆やチーズなど、ワインの味を引き立ててくれる食べ物と一緒に、Cardinaleを試した。
▽泊まりツアーへ展望
結局2日間で9軒回った。少ないように思えるかもしれないが、各ワイナリーでのテイスティングはそれぞれ20分〜1時間半かかっており、ワイナリー間も10分~30分以上離れているので、想像するほどパッパカパッパカと回れるものではない。

(Cardinaleのプライベートテイスティング。いろいろな食材と味を比べながら、ワインに合う味を探していく→)
今回は泊まりツアーへの展望が見えたことや、レストランでおいしい料理をごちそうになったことのほか、Kさんご夫妻と和やかな時間を過ごせたのがすごくよかった。
お2人はナパで泊まれたことで、想像以上にゆったり過ごすことができ、すごくよかったそうだ。
Kさん、Nさん、本当にありがとうございました。またいらしてくださいね。この次はフラワーズですよ。
終わり。

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