
その5からの続き。
▽夜中にもぐりこませて…やんない
とにかくキャンプサイトを確保しなければ。この地へ来たことのあるKさんのリードを元に、適当なサイトが見つかった。湖とBanner Peakを見渡せる岩の丘の上だ。
痛い頭をふりふり、とにかくテントを建てる。ここまでは何とか身体が動いた。Kさんは相変わらずのツェルトを使った簡易テント。

屋根以外がなく壁に当たる横側から下は吹きっさらしになっている、本当の簡易宿泊施設だ。
さすがに僕はこの高度と寒さの中では、 →続きを読むをクリック
そんなまねはできない。重いと思いつつわざわざ持ってきたテントをしっかり張った。
Kさんが「夜中寒くなったら、中村さんのテントにもぐりこませてください」と笑っていたが、入り口の外のフライの下なら空いてるよ、と指差すと「それじゃあツェルトの下に寝るのと一緒じゃあないか」と笑っていた。
▽ますます頭痛がひどく

テントを建て終わった時点で、ますます頭痛がひどくなってきた。動作も緩慢になってきて、動きたくなくなってきた。完全な高度障害だ。しまったなー、9000ft.の場所で高度障害だなんて恥ずかしくてだれにも言えない。
でも今年初だから、これを乗り越えれば今シーズンは高度障害に悩まされることはないだろう。関門みたいなもんだな。
食事にしようということで、湖の岸に場所を定め、アルコールストーブでお湯を沸かすことにした。

これまではガソリンストーブを持って来ていたのだが、UL志向のKさんの意向で今回はアルコールストーブで気長に調理することにしていたのだ。
▽Kさんがほとんど食事を用意
ガソリンはサステイナブルじゃないから不可とされた。このため今回はアルコールストーブのみと指定があった。
でもさ、ここまでやってきた車や毎日のドライブで、とてつもない量のガソリンを使ってることはどうおとしマエつけるんだ?
まあいいや。頭が痛いから余計なこと考えるのはよそう。

さて、身体が動かなくなってきた僕ちんに代わり、ほとんどKさんが準備してくれた。まずは味噌汁。それからお湯で戻せる五目御飯。すごく気を使ってくれたKさんの志に大感謝だ。
▽味噌汁しか飲めず
しかし味噌汁を口元に持っていった瞬間、げげっと吐き気がした。いかんなー。五目御飯も用意ができたが、つわりの女性のように、食べ物のにおいをかいだだけでげろげろになった。無理はしちゃいけないが、とにかくなんか口にしなければ。
味噌汁だけは飲もうと思って、吐き気を我慢して熱い味噌汁を流し込んだ。ふつうならうまいのだろうが、この体調では味わう余裕がない。

熱い汁がミョーにすっぱいようなしょっぱいような味にしか感じられず、だしの味がまったく舌の上に感じられない。
身体が動かず頭痛もますますひどくなってきた。果たして無事に食事は終えられたのだろうか。
その7へ続く。

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