建て方の2日目です。
二階の柱を立てて、梁を掛けて行きます。
吊られて来た部材は、地棟。
コスト最優先の建物では、見ることが出来なくなった部材です。
この建物は、垂直方向には300mm角の通し柱が立ち、水平方向に末口280mmの地棟が配されます。
この事により、縦横に、剛性が得られます。
床に乗っかる重さ、鉛直荷重だけ意識しているのではなく、建物の剛性が水平力にも耐えられる様に。
「中までカラカラです。今年に伐った丸太ですか? 2〜3年乾燥させた丸太でもこの様にはならない!」
建て方の手伝いに来た大工さんの、肌で感じたインプレッション。
冬季新月伐採は、有効ですね。
水気が無いといっても、600kg超の丸太は簡単には納まりません。
そこに必要なのは、人間の技術、人間の感性です。
家の剛性をただ強くするだけの為の、太くて長い部材なのか? 人間とは、色々な思考を廻す動物、そして、家は自分の家族を守る為の器、地震や台風に耐える必要性だけではない筈です。
そこにあるのは、施主さんの家族に対する思いが込められています。
地棟が納まり、小屋組みが組まれて行きます。
地棟が太いので、意匠的に軽いものを対比させればと考え、トラス構造の小屋組みです。
トラスが、組まれています。
ミリ単位で競らせる納まりになるので、大工さん達は納まりの主要部分を睨んでいます。
トラス構造は、構成する部材に圧縮・引張りしか存在しない状態で組み上げます。
つまり、曲げを受けない事で、各部材の断面積を小さく出来ます。
4寸角(12cm角)で12尺(3.6m)飛びは、和小屋では考えられない骨組みです。
そして、トラスの2列目が組み付けられました。
太い部材で、家の水平力を受け持つ様に、的確にオーバースペックで組む。(変な表現)
太い地棟と、トラス構造の細い部材で構成される事による「差」を愉しむ。
どんな家に住むかは、施主さんが決定する事ですね。
棟木と母屋が、掛けられました。
2日間を掛けて、家の形となりました。
この複雑な、そして、超重量級の骨組みを厭わないで組み上げて下さる大工集団に感謝。
怪我人も無く、平素に終わる一日に感謝。
国産材を活用して、森を守りましょう。
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