いつも喜び、 絶えず祈り、 すべてを感謝する。 そのような日々を過ごしたい。

2017/7/27

画家 ミュシャ  絵画

ミュシャというと、あの「華麗な装飾で覆われた美しい女性」を思い浮かべます。
ところが、そのミュシャが、パリで成功を収めたあと、50歳で故郷のチェコへ帰って
「スラヴ叙事詩」という大作を20点も描いていたことを、日曜美術館で知りました。

ズビロフ城にこもって描いたのは、故郷チェコの戦いの歴史。
名も無き人々が懸命に生きたこと、そして侵略軍によって痛めつけられたこと。

大きな画面からじっと見つめる女性。
子供を胸に抱いている。

こちらを見ているふたりの女性の目。
とても怖いと思った。

あの美しく着飾った女性たちを描いた画家の作品とは思えない。

ゲストの演出家 宮本亜門の言葉が響いた。
 この絵のあの眼差しは、あなたはどう思いますか?と問いかけている。
 祈りと思考
 向き合わざるを得ない時間

目の見えない老人に、聖書を読んで聴かせる若者の姿

チェコ語に始めて聖書が翻訳されたのは、ミュシャの故郷イヴァンチツェ
実際に多くの人々に衣装を着てもらって写真を取り、それを見て描いたという。
多くの民衆たち。
この民衆が国を支えているのだ。という理解。

16年の歳月を使って超大作の20点の絵は完成した。
どの絵も、本当に大きく、何メートルというもの。

しかしそのミュシャも、ナチスによって愛国者として捕らえられ、
監獄で体調を崩し、78歳で亡くなったという。

戦争の場面は、見るのが辛いです。
目をそむけたくなる。
けれど、ミュシャの絵には、血しぶきはない。
番組でも指摘されていたけれど、死体を包むあの白さは不思議だ。

戦場カメラマンの渡部陽一は、自分が見てきた戦場と同じように、避難してくる人々が持っている
水を汲むもの(ビンやかめなど)に着目する。
絵から声が聞こえるという。

サラ・ベルナールからポスターの依頼を受けたことがきっかけで、名前が売れるようになったとか。
しかし花を写生しているスケッチは、精密です。
この技量があっての成功だったこともわかります。
ただ「綺麗」だけではない観察力と表現技量。

そのミュシャが、平和を願う思いを、悲惨な戦争の事実を描くことによって残した。

事実から目をそむけてはいけない。
歴史から学ばなくてはいけない。
戦禍を繰り返してはいけない。

強くそう思いました。


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 ミュシャ RODO

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 ミュシャ 主の祈り

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 ミュシャ  百合

追記

なぜヤナーチェクのシンフォニエッタが番組で少しだけ流れたのか
どういうつながり、ゆかりがあるのか、
どなたかご存知でしたら教えていただけませんか?

回答17.8.7piyoさん
piyoさんコメントありがとうございました。
同じチェコのモラビア出身のヤナーチェク。
チェコという国は、なんども侵略され、厳しい歴史を歩んできた民族ですね。
それゆえに、祖国愛はことのほか強いのでしょう。

スメタナの「わが祖国」を、涙ながらに演奏した。(指揮者の名前がでてきませんが)
聴いている聴衆も泣いた。というお話を聞いたことがあります。
モルダウは、なぜか心にじわっとくる音楽です。
作曲者の思いが、いっぱいつまっているのですね。
1



2017/8/7  11:00

投稿者:モネ

まあ、piyoさん、ミュシャ展へいらしていたのでしたか。
そして、「スラブ叙事詩」のきっかけが、スメタナの「わが祖国」だった。
すごく納得できる感動的なお話ですね。

ヤナーチェクのシンフォニエッタのこと、たぶん出身がいっしょかなあ・・と想像はしていましたが、やはりそうでしたか。
シンフォニエッタは、村上春樹の「1Q84」で知りました。
文学と音楽、そして絵画にまでつながるのですね。
ありがとうございました。
勉強になりました。

2017/8/6  23:33

投稿者:piyo

モネさん この場では、ずいぶんお久しぶりです。私、昔、ミュシャ展に行ったことがあります。図録を持っているので、見たら、1989年のことでした。あれから28年も経ってしまいました。『没後50年記念 アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展』の図録で、『スラヴ叙事詩』の制作をミュシャが思いついたのは、アメリカ滞在中、ボストン交響楽団が演奏するスメタナ作曲の交響詩『わが祖国』を聴いた時で、芸術を通してスラヴ民族の文化を世に知らしめ、スラヴの団結を促進する仕事に余生を捧げる決心をしたと書いてあります。モネさんの追記の質問:ヤナーチェクのシンフォニエッタの件。「ヤナーチェクはミュシャと同じチェコのモラヴィア出身だから、番組で彼の楽曲が使われた」では、答えになりませんか?


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