2015/5/19
詩人 長田弘
詩人 長田弘(おさだひろし)さんをご存じでしょうか。
この5月3日に75歳で亡くなりました。
天声人語でも追悼していたので、お読みになった方もあることでしょう。
私はずいぶん前に友人からこの詩人のことをお聞きしていました。
NHKの視点・論点で偶然お姿を見たこともありました。
しかし熱心に長田弘さんの詩を読んでいたわけではありません。
絵本で見た記憶もあり、なんとなく名前は知っていた。
その程度でした。
4月25日に長田弘全集が出たことに気が付いていたところ、訃報が。
早速検索してみると、
「詩ふたつ」というクリムトの絵と合わせた詩集があることに気が付きました。
図書館にも、たくさんの本が所蔵されていました。
早速4冊ほど予約。
『詩ふたつ』は、
「花を持って、会いにゆく」と「人生は森のなかの一日」
クリムトの花と樹が詩と調和して美しく、心がほぐされます。
2009年に亡くなった妻、瑞枝さんへの追悼詩。
***
どこにもいない人に会いにゆく。
きれいな水と、
きれいな花を、手に持って。
ことばって、なんだと思う?
けっしてことばにできない思いが、
ここにあると指すのが、ことばだ。
「花を持って、会いにゆく」より
****
やがて、とある日。
黙って森を出てゆくもののように、
わたしたちは逝くだろう。
わたしたちが死んで、
わたしたちの森の木が
天を突くほど、大きくなったら、
大きくなった木の下で会おう。
わたしは新鮮な苺をもってゆく。
きみは悲しみをもたずにきてくれ。
そのとき、ふりかえって
人生は森のなかの一日のようだったと
言えたら、わたしはうれしい。
「人生は森のなかの一日」より
*****
一部抜粋させていただきました。
瑞枝さんが亡くなって1年後に出版された詩。
6年後に長田弘さんも亡くなって、
きっとふたりは新鮮な苺を前に、悲しみのないところで
語り合っておられる。。。
そのように想像すると、涙が出そうになります。
きれいな水と、きれいな花をもって
わたしたちは、もうどこにもいなくなった人に
心の中で会って、お話をする。
奇しくも、昨年4月末に奥様をなくされた牧師のE先生が、
ちょうど1年後に妻を追悼する本を出版された。
病を得て17年間、ともに信仰を持って闘ってこられた日々の記録。
同じ病をもっている人への、励ましになればと日記をつけて準備してこられた本。
まだ途中までしか読んでいないのですが、
ふたりの男性が、妻を悼む思いを本になさったこと。
わたしの中で、いろんな思いがめぐります。

写真/@Lapie fr
らぴさん、クリムトの絵のようです。
いつも素敵なお写真をありがとうございます。
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この5月3日に75歳で亡くなりました。
天声人語でも追悼していたので、お読みになった方もあることでしょう。
私はずいぶん前に友人からこの詩人のことをお聞きしていました。
NHKの視点・論点で偶然お姿を見たこともありました。
しかし熱心に長田弘さんの詩を読んでいたわけではありません。
絵本で見た記憶もあり、なんとなく名前は知っていた。
その程度でした。
4月25日に長田弘全集が出たことに気が付いていたところ、訃報が。
早速検索してみると、
「詩ふたつ」というクリムトの絵と合わせた詩集があることに気が付きました。
図書館にも、たくさんの本が所蔵されていました。
早速4冊ほど予約。
『詩ふたつ』は、
「花を持って、会いにゆく」と「人生は森のなかの一日」
クリムトの花と樹が詩と調和して美しく、心がほぐされます。
2009年に亡くなった妻、瑞枝さんへの追悼詩。
***
どこにもいない人に会いにゆく。
きれいな水と、
きれいな花を、手に持って。
ことばって、なんだと思う?
けっしてことばにできない思いが、
ここにあると指すのが、ことばだ。
「花を持って、会いにゆく」より
****
やがて、とある日。
黙って森を出てゆくもののように、
わたしたちは逝くだろう。
わたしたちが死んで、
わたしたちの森の木が
天を突くほど、大きくなったら、
大きくなった木の下で会おう。
わたしは新鮮な苺をもってゆく。
きみは悲しみをもたずにきてくれ。
そのとき、ふりかえって
人生は森のなかの一日のようだったと
言えたら、わたしはうれしい。
「人生は森のなかの一日」より
*****
一部抜粋させていただきました。
瑞枝さんが亡くなって1年後に出版された詩。
6年後に長田弘さんも亡くなって、
きっとふたりは新鮮な苺を前に、悲しみのないところで
語り合っておられる。。。
そのように想像すると、涙が出そうになります。
きれいな水と、きれいな花をもって
わたしたちは、もうどこにもいなくなった人に
心の中で会って、お話をする。
奇しくも、昨年4月末に奥様をなくされた牧師のE先生が、
ちょうど1年後に妻を追悼する本を出版された。
病を得て17年間、ともに信仰を持って闘ってこられた日々の記録。
同じ病をもっている人への、励ましになればと日記をつけて準備してこられた本。
まだ途中までしか読んでいないのですが、
ふたりの男性が、妻を悼む思いを本になさったこと。
わたしの中で、いろんな思いがめぐります。

写真/@Lapie fr
らぴさん、クリムトの絵のようです。
いつも素敵なお写真をありがとうございます。

2015/5/22 20:20
投稿者:モネ
2015/5/22 16:22
投稿者:らぴ
厳しい経験でした。
お父さんもどんなにお寂しかったことでしょう。
伴侶を喪う・・・辛いことです。