いつも喜び、 絶えず祈り、 すべてを感謝する。 そのような日々を過ごしたい。

2011/2/13

「沈まぬ太陽」  ドラマ

金曜ロードショウ、4時間、ノーカット「沈まぬ太陽」は、ご覧になりましたか。
私は録画しておいたのを、2回に分けて2日で見ました。もちろんコマーシャルを飛ばしながら。

山崎豊子の原作も、ずいぶん前に読みました。単行本で全5巻あったのですが、どうなるのだろう・・と夢中で読みました。でも細かい内容はかなり忘れました。

御巣鷹山での日本航空の事故、私は神戸のTさんの家で、その速報をテレビで見たことを思いだします。知人が「123便は仕事でよく利用していたので、ぞっとした」とあとで聞きました。
123便にに搭乗する人達。この人達は亡くなるんだ・・と分かっているので、涙が出てきてしまいます。

主人公恩地元役の渡辺謙、いつもながらの熱い演技。名優の風格が出てきました。
信念を貫いて生きることは、苦しみに耐える勇気がないと出来ない。
「矜持(きょうじ)」という言葉が、心に残りました。
実在のモデルがいるという。

人が生きる目的はなにか。

行天四朗(三浦友和)に、「お前は寂しい男になってしまったのだな」と言う恩地の言葉。

真実を暴露し、死を覚悟した八木和夫(香川照之)が、最後のお別れをしたくて恩地を呼びだす。しかし早々に帰る八木の後ろ姿を見送る不審そうな恩地の姿。

組合活動をすると、「アカ」だというレッテルを貼られる社会。
闇の世界を動かすのは、お金。

ナイロビの自然、野生の動物、光の矢を射す太陽。

断片的にいろんな場面が思い出されます。


日本航空が破綻したとき、やっぱり・・という思いがあった。
人を大切にしない会社は、消滅していく。


小説を読んだ時一番強烈な印象を持ったのは、
ナイロビで錯乱状態になり、部屋で銃を剥製の動物に向かって乱射するところ。
人が精神的に追い詰められるとき、これほどまでになってしまうのだということを知った。


恩地と行天を対照的に描いているが、龍馬と弥太郎が最終的には同じ線で結ばれたのに対して、「沈まぬ太陽」では、恩地と行天の道は全くかけ離れてしまった。

自分の栄達を求める、金まみれの人生は、心からの爽やかな喜びというものはなく、いつも不安で、暗い。
しかしそれを追い求めている途上にある人間には、そこから降りることができないらしい。

先日の「SONGS」でイーグルスの「デスペラード(放浪者)」の歌詞、
「チェックアウトすることはできます。でも出口はないんです。」という言葉を思いだしました。
逃げ出すことのできる出口はない。
ここを出たかったら、チェックアウトする(死ぬ)しかない。


八木はいつも組合で書記長として闘ったときの写真を見ていた。
手帳に挟んで。
その手帳には、行天に黒い金を渡した日付が克明に記してある。
八木は最初から死を覚悟して行天の下にくだっていたのだろうか。
裏切り、報復を心に持ちながらだったのか。
あるいは、どこかで分岐点があったのか。


苦境にあえぎながらも信念を貫いた恩地。
袂を分かって、権力の側についた行天。
自分の命をかけて、不正を暴露し、権力に立ち向かった八木。

恩地を支えた家族・・ことに家庭を持った息子が父親を理解していく場面も心に残る。

人間の存在、命を大切に考えることができなくなったら、
その組織は消滅していく。

遺族への応対に誠実な心がこもっているかどうかを含め。

飛行機に手を振るのは、その安全を祈り見送る父親のようだと国見(石坂浩二)がいう。
靖国神社に参拝するのは、何を祈るのだと龍崎(品川徹)に怒る国見。


飛んでいる飛行機を見ると、そこに乗っている人達の命と、
航空技術という人間の叡智と研鑽、努力を思う。

自分の仕事に、熱意と誠意をもって努力している人達もたくさんいる。


いつもながら、批判・非難・誹謗中傷を覚悟の上で、現実を直視する小説をお書きになっている
山崎豊子さんの勇気と熱意に、心からの敬意を表します。




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沈まぬ太陽


northland-art-studioさんからお借りしました。


いつもありがとうございます。


追記

山崎豊子さんの座右の銘

「金銭を失うこと。
それはまた働いて蓄えればいい。
名誉を失うこと。
名誉挽回すれば、世の人は見直してくれるであろう。
勇気を失うこと。
それはこの世に生まれてこなかった方がよかったであろう。」

        ゲーテの言葉
2



2011/2/16  23:35

投稿者:モネ

みゆうさんもご覧になったのですね。
組織の中で、信念を貫くことは、なかなか難しいことだと思います。
恩地のような人は、あまりいないようです。
でも、流されて生きることはしたくない・・・と思っています。

頑張ってください。

2011/2/16  20:50

投稿者:みゆう

私も見ました。
組織の中で同じような体験をしているので…
恩地には到底及びませんが…『私らしく信念を貫く覚悟』を再確認しました。
険しい道のりですが…頑張って行こうと思っています。
モネさんは『沈まぬ太陽』をブログに書いて下さると思っていたので
楽しみに読ませていただきました。
ありがとうございます♪

2011/2/14  18:32

投稿者:モネ

山崎豊子さんは、いま87歳。「これを映画化するまでは死ねない」とおっし
ゃっていたそうです。多くの妨害、誹謗中傷もある。
しかし勇気をもって使命として書いてこられたのだと思います。

我々も組織・システムの壁にぶっつかる卵でいたいですね。

2011/2/14  13:32

投稿者:玄柊

3時間22分、私もCMを飛ばしながら放映日に一気に見ました。
「白い巨塔」の医師の世界同様、航空機も好みの世界ではないとは言いな
がら、山崎豊子の世界は、善と悪、権力と貧困、美と醜さを人間ドラマと
して巧みに描いていました。
私の想いもいろいろなところへ行きましたが、ただ1点、自分はこの強大
な組織には向かない人間だと再確認し、人にはそれぞれの生き方がある、
しかし、自分らしさを貫くしかないと思いました。
長文のブログ、改めて映画の細かいシーンを思い描きながら読ませていた
だきました。感謝!!

http://northlandcafe.p1.bindsite.jp/

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