天女湯 おれん 諸田玲子

2013/9/30  15:21 | 投稿者: masuko

 面白かったねえ。「これがはじまり」の方をコメディーってかいたけれど、こっちはコメディータッチなところもあるけれど、ちょっと違う印象。おれんもかなり肝の座った女将さん風情が板についている。話は辻斬り、窃盗、心中、お家騒動・・・そして、湯屋の隠し部屋での男女の蜜事とおれんの恋。ということでけっこうシビアです。隠し部屋はもちろん、お互いに納得のいった上でのお金のやりとりのある男女のそれに使われる。そちらの描写も「やるなあ!」って感じ。使用人の弥助は役者崩れなんで、おれんとポンポンとテンポよく交わされる会話には歌舞伎のお話の中の台詞の引用が多い。諸田さん、かなりの歌舞伎通らしい。おえんには今までの辛い人生の中でお上への反発も相当あり、八丁堀の真ん中でバレたらとんでもない裏稼業。それでいて出入りの親分ともそこそこの中。その親分の再婚のお祝いをご常連達を招いて湯屋の二階でやってあげるのがフィナーレ。話の展開がなかなかうまい。
 比較しては悪いけれど、あさのあつこの時代小説よりは何枚もうわてです。彼女のは筋しかないからなあ。時代小説っていうのはどれだけ、時代の文化、風俗、歴史、価値観・・・そういうものをベースに出来るかってことだよね。きっと。

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