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アラスカの森林、温暖化で?害虫北上 針葉樹狙う
朝日新聞 2006年8月7日付
ボロボロに朽ち果てた針葉樹が、地面に突き刺さった無数の針のように立ち尽くしている。米国アラスカ南部のキナイ半島上空を飛ぶと、虫害で立ち枯れた森が見渡す限り広がっていた。地球温暖化の影響によるのか、害虫の生活サイクルが変わったことが一因とする見方も出ている。
「膨大な量のまきがあるようなもの。落雷で簡単に火がつき、あっという間に燃え広がります」
本社機「あすか」から虫害の現場を見た財団法人リモート・センシング技術センター(東京)の上林徳久・主任研究員(森林科学)は話す。
・キナイ半島はアラスカの中でも虫害が深刻な地域で、原因はキクイムシの一種。
同地域では、これまでに東京都の約2倍の広さにあたる4400平方kmが被害を受け、アラスカ全域では1万6千平方kmに及ぶ模様。
・キクイムシが成虫になるには通常2年かかるが、温暖化の影響か80年代後半から1年で成虫になるようになった。
そして、活動期間が延びたために被害が広がる。
・虫害はアラスカ南部が中心だが、フェアバンクス近郊でも被害を確認。(キナイ半島とは別種のキクイムシ)
付近では近年夏に大規模な山火事が発生しており、痛めつけられた樹木が標的になっているのか?
火災で衰えた森林が虫害に遭い、さらなる火災を招く。温暖化を加速しかねない悪循環を断ち切る妙手は、今のところ見つかっていない。
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キクイムシ wikipedia
キクイムシはゾウムシの仲間なのですか?!
意外な感じ…。
どこかのマングローブに棲むキクイムシは、漁師達のスナック(オヤツ)になっている。
そんな場面を何かのTV番組で見ましたが、あれは同じ名前の別の生き物なのだろうなぁ…。
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Wood Boring Insects in Alaska
↑虫の画像がありますので、お嫌いな方はご注意を!
キクイムシは英語でWood Borer。
上記のサイトでは、樹木に害を与えるアラスカの代表的な昆虫を紹介。
キクイムシは体長数ミリの小さな虫ですが、幹深くではなく樹皮のすぐ下でかなりの数が繁殖するらしく、被害が大きいようです。
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Forest Helth Rrotection Alaska Region
アラスカの森林のコンディション、病害虫の発生などの総合サイト?!
話が逸れますが、侵略的な植物(日本で言うところの帰化植物?)として、
Japanese Knotweedが挙がっていました。
タデ科の植物のようですが、アメリカ北部、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の他、イギリスでも繁殖しており、アラスカ州では南東部で大きな群落(?)が確認されているとのこと。
観賞用として持ち込まれたものがどんどん広がって野生化したようですが、日本原産なのかしらん?いくつかの似た種をまとめて"Japanese Knotweed"と呼んでいるとのこと。
河畔などで茂るとサケの産卵場所に異変をもたらしたり、河川の流量を減らすなど(上流では溢れてしまう可能性あり?)、生態系などにも影響が出る可能性があるようです。
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人工衛星から見たアラスカの山火事の様子 2005年8月
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ALASKA SMOKEJUMPERS
2005 ALASKA WILDFIRE PHOTO GALLERIES

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