うちのスクールのアダルトクラスでは物足りないブーのために、地元バレエ団のオープンクラスに行ってきました。モチロン私も参加するつもりだったのですが、午前中の痛い治療がまだ後を引いていて、ちょっと無理。無念なり。このクラスはインターミディエイト(中級)で、去年までは時々通っていました。付いていくのにかなり集中力が必要だけど、いっぱい動けて楽しいクラスのはず。
このクラスは生ピアノ付きなので、見学させてもらえれば勉強になるかも!と思って頼んでみました。ピアニストさんは感じの良いロシア人で、「私は構わないわよ。一応先生に聞いてみてね」と言ってくれたのですが、先生が見あたりません。
「えーと、どの人が先生ですか?」
「あそこよ」
指さす方向にはカーリーの長い黒髪を野球帽で押さえ、ヘソ出しキャミソールに超カコイイジャージ、そしてスポーツシューズの女性。…?あれ?
「えーと、あの、グリーンのキャミソールの人じゃないでしょう?」
「彼女よ。今日の先生。」
「…あの、これってバレエのクラス?」
と思わず訊いてしまいました。びっくりです。おとなしめに見積もってもせいぜいヒップホップの先生、って感じで。映画「センターステージ」に出てくるジャズの先生を若く美しくしたような感じです。ちょっとERのキャロルに似てるかな。うちのスクールにもこのバレエ団から先生が来ているけれど、こういうタイプは初めて。野球帽ですよ、野球帽。
恐る恐る近づいていって許可を求めるとにっこり笑って[SURE!!もちろんよ!]と言ってくれました。ラッキー!しかし、この人、本当にバレエを教えるんでしょうか???ボールでも投げてる姿しか思い浮かばないんだけど。
ところがレッスンが始まり、ちょっと動いて見せると彼女のスッと伸びた腕、背中の張り、非の打ち所のない脚のラインの
美しいこと!そして、その上品な顔立ちと気品に満ちた身体から発せられる
オーラにクラクラしてしまいました。上体垂直で、アラセゴンの脚なんか耳の横までスッと上がっちゃうし、アラベスクはモチロン180度。
しかも、ものすごく明るくて元気で、教えながらも飛んだり跳ねたり、自分のイメージしていたのと違うタイプの曲をピアノが奏でたら即興で床に倒れ込んで見せたり、それでいて、すぐさまピアニストのところへ飛んでいって「ごめんなさーい」と抱きしめてみたり。合間合間にもヒューヒューと奇声を発したり手を叩いたり、もうすごいのです。快活という言葉は彼女のためにあるみたい。大ファンになってしまいました。後で調べたらバレエ団のソリストダンサー。美しいわけですね。
そして、クラスのレベル。もう唖然とするしかない、という感じ。顔ぶれは去年まで見ていた人も何人か残っていたけれど、以前私が
間違えてアドバンスのクラスに紛れ込んで、玉砕した時に参加していたメンバーも確かに何人か入っていました。私なんかあれがトラウマになって、その後、1年以上もこのバレエ団自体に近づけなくなってしまったほどなのです。
一体どこがインターミディエイトなのよっ!このメンバー、違うでしょ!と言いたくなるくらい。現に去年の今頃まで、確かにクラスで一番上手だったはずの人がすっかり霞んでいました。ああ、このクラス受けなくて良かった。ドクター、今日私に痛いことしてくれててありがとう!危ないところでした。思わず
おできに感謝です。
このクラスを受けていたらバーでもろくに動けなかったかも。ぎゃー、複雑、複雑、複雑っ!今何した?タンリエ(左右や前後の体重移動)が多すぎて足さばきが速すぎて、見ているだけでも飲み込めません。これじゃ身体が動くわけないよ。事実、付いていけていない人も何人か。ブーはさすがにちょっと前まで現役だっただけあって、こんなところでも美しく優雅に踊れてました。カッコイーッ(((≧∇≦)))
親ばか…orz
オープンクラスなので、あまり指導は入らないのだけど、一人呼ばれてお直しされてたり。いいなあ。厳しい思いをしてレッスンを重ねてきたのが報われているんですね。
センターのアレグロなんかはもう、私だったら最初から玉砕レベル。でも一番上手な人に注目していると、もうそれだけで目の保養、得した!って気分になります。やっぱり音楽の取り方って大切だわー、と思ったり。でもそのためにはまず振りを憶えられないとダメですよね。ああ、なんて奥が深いんだろう。
肝心のピアノの方はといえば、これまたお見事。先生からは拍子の指示もなく、じっと先生の見本を見て、ピタッとその振りに合うように音楽を付けてみせる、あれは一体どうなってるんでしょうね???大体16小節か32小節の後にポールド・ブラが入るような感じの音楽を揃えてあるみたいだけれど、変則も多いし。それに先生から「何かゴージャスなのちょうだい」とか「次、ラブリーなやつねー」とか言われた時には既に準備が出来てるみたい。このピアニストさん、年配のロシア人だったけれど、やっぱりバレエの経験があるんだろうなあ。
道は険しい、と再認識いたしました。でも楽しかったなあ。レッスン費も払わずにこんな楽しい思いしちゃって良いんだろうか。ある意味、バレエの舞台を見るよりもレッスンやリハーサルを見る方がずっと楽しいと思う私です。
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