ロサ・パークスさん、亡くなったんですね。実は私、彼女がまだ存命だったことを知りませんでした。同時にあの事件がそんなに現代から近い時代に起きたことだと気付いてあらためて驚いた次第です。
(検索して気付いたのですが、日本語表記だとロサではなくローザ・パークスが一般的なようです)
私はこちらでESL(英語を母国語としない人のための英語クラス)を取るようになって初めて知ったのですが、彼女はアメリカではその訃報が新聞のトップ記事になるほど有名な人です。
ロサ・パークスを知らなくてもマーティン・ルーター・キング・ジュニア牧師の名前は知っている人がほとんどではないでしょうか。[I have a dream...]で始まる演説はあまりにも有名です。キング牧師が立ち上がるきっかけとなったアラバマの事件がロサ・パークスのバスでの出来事。今、非白人の私たちが安心してここで暮らせるのは彼女の勇気のおかげでもあるのです。
1955年12月1日。その日、仕事帰りにとても疲れてバスの座席に座っていた彼女は、後から乗ってきた白人乗客に席を譲ることを拒みました。当時のアラバマでは人種差別がまかり通っていました。
公共の乗り物は白人優先、学校や水飲み場まで白人と有色人種は分かれていたのです。その日、とても疲れていたロサは「座席を譲れ」と言った白人に従わなかった。すごい勇気です。彼女は逮捕され、黒人社会は怒った。キング牧師は、しかし非暴力を訴えました。
「怒りは正当でも暴力はいけない」
そして人々は問題のバス会社をボイコットするという手段に出たのです。雨の日も雪の日も。黒人達は何時間でも歩いて職場へ通いました。困ったのはバス会社や市当局。またたく間にバス会社は経営困難に陥り、バス料金は値上げされたと言います。それでもボイコットは止まらない。
何度かの裁判を経て、約1年後の1956年12月20日。ついに最高裁判所が市バスの人種分離は違憲との判決を下し、ボイコットは終了。そしてバス以外にも人種差別の撤廃が広がっていったのです。
私にとっては1月のマーティン・ルーター・キングス・デー前になると教わる「歴史」でしかなかった事実が彼女の死というニュースで急に身近に感じられました。
当たり前の正しいことを勇気を持って主張したロサ・パークス。ご冥福をお祈りします。

逮捕され、指紋を取られるロサ・パークス-AP-
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