アメリカ人の「すごいなあ」と思うことの一つに
子どもたちの大人っぷりがあります。
大体幼稚園児だって大人の目をしっかり見ながら自分の意見を言えるもんね。後ろの人のためにドアを押さえておいて「ありがとう」と言えば目を見て「どういたしまして」って返してくれる。知らない人とは話すことさえできなかった自分の子ども時代なんかを振り返ると情けなくなる。学校という特殊な場所以外で大人と話す機会はほとんどなかった。
うちの子どもたちはそれなりに大人と話させることを努力きたつもりだけれど、礼儀正しくさせようとすればセリフになってしまい(爆)、そうでなければタメ口になる(ため息)。言葉遣いのタメ口のことはこの際置いておくとしても、精神的にタメ口なのだ。子ども同士の甘えをそのままひきずった会話になってしまいがちだ。大人と対等に話すのが難しいらしい。
日本人の中高生ってコドモっぽい。(身体とか見掛けは別にして
中身ね)がするんですが、こっちの子ってちゃんと責任のある仕事ができる(子が多い)し、驚くほどしっかりしている(子が多い)。
一番最初にそれに気づいたのはこちらに来てすぐ、宿題にまったく歯が立たない(当然だ)娘ブーのために来てもらった日米ハーフの
高校生G君だった。髪をディップで決め、ピアスもいっぱい(今のところ全部耳だけど)アンダーパンツをお尻からのぞかせてズボンを下げて履く
今時のファッションな
G君。
でもお母さんから日本語を覚えたので言葉遣いが完全に女の人のそれで、むちゃくちゃカコイイ外見とそのコトバのギャップが素敵な15歳だった。
その彼が
頼りになるんである!
ブーに勉強を教えている最中に家の電話が鳴り、それがセールスの電話だったりする。受けた私はしどろもどろ。すると近くでこちらの気配をちらちら窺っていた彼が身振りで
「代わりに断ってあげようか?」と言ってくる。
そして電話に出るとまるでお父さんのようにキッパリと
「不要だからもう電話をかけてこないでくれ」と断ってくれる。
彼の教えぶりを見ていてもブーのわからないところをきちんと理解しようとしてよく考えてくれた。わからないことがあれば私の代わりにブーの学校へ電話をかけて宿題についての質問やブーについての説明もよくしてくれた。
それだけのことを臨機応変に対応できる子って日本では決して多くないと思う。
これが彼だけのことだったら特殊な例なのかな、と思うところだ。
だけどこういう子が至る所にいるんである。我が家の悲惨な引っ越し(これもそのうちブログに書こう)の時手伝ってくれた
高校生たちの働きぶりにも目を見張るものがあった。小学生だってレモネードを売って災害被害地に寄付する運動を起こすし、中学生になれば講習を受けて
ベビーシッターのアルバイトもする。
高校生になればパートタイムで正式に働くこともできるし、社会でも「責任ある大人」として扱われる。お金をもらって働いていれば責任ある仕事をするのは当たり前だ。でも日本と違うなーと私が感心してしまうのは、彼らがいつも
臨機応変であること。自分の頭でその都度考えることが自然にできる子が多い。そして仲間内だけで通用するいわゆる「内輪ウケ」というノリとは別にちゃんと外へ向けた顔も持っている。自分の意見が言えない高校生には今までほとんどお目に掛かっていないし、「使える高校生」がたくさんいることは感じていた。
大変長くなりましたが、
以上前置きです(おいっ!)。
YMCAで水泳を習っているフーとウーの先生が前セメスターから変わったという。
(親はサインアップするだけでインストラクターの顔さえ知らないことも多い)それも
高校生のおにーさんに。
(ほぼ5週間ごとにセメスターが変わり、生徒はその都度サインアップをして申し込む。習い事にはこういうのが多い。ちなみにバレエスクールでは1年というか、9月から6月までを1年としてサインアップする。日本のように1つのスクールに入ったら何かない限りずっと自動継続、というのではないのです)
ウーはまだ真ん中あたりのクラスでせいぜいクロールとバックストローク(背泳ぎ)、そしてブレストストローク(平泳ぎ)の基礎を練習しているくらいだから問題ないとして、バリバリにバタフライの練習をこなし、45分間に何kmも泳ぐフーのクラスを指導仕切れるんだろうか。
ちょっとだけ疑っていた。というよりは期待していなかった。
ところが
このおにーちゃん先生が
お見事と言うしかない働きぶりなんです。
フーによれば、彼女がスイミングを習い始めたちょうど1年前、このおにーさん先生は指導の見習いに入ったところだったという。この1年間、自身をSwim Teamで鍛えながら、指導の勉強も続けていたらしい。
最上級の2クラス[FLYING FISH]と「SHARK]をいっぺんに隣同士のレーンで受け持ち、生徒は十数人。年齢は下は9歳くらいの精鋭から14歳まで。
一応クラス分けされているとはいえ、バラつきのあるこの大人数を実にきめ細やかに指導し、一人一人に足りない練習を見抜き、個別の課題をさせるのです。
それはそれはみっちりと。見ている方が筋肉痛になるくらい。
ターンが苦手な子にコツやタイミングを教えている間に泳ぎ込みが必要な子たちに次々指示を与え泳がせ、別のレーンを泳いでいる子の欠点に気づけば魚のように泳いでいって指導をする。
合間に見込みのある子のチームへのスカウトも忘れない(笑)。
しかも私たちが知っているだけでも少なくとも月・水の5時(ウーのクラス)から8時頃(フーの次のクラス)まではプールに入りっぱなしの泳ぎっぱなし。
お見事。
テストの成績が良かったり楽器が上手だったり、そういう才能もそうだけれど、
才能や長所を伸ばす教育がうまくいっているんだろうなあと実感するとき。
小さいときから自分も他人もリスペクト(尊重?)することを自然と学ぶ社会がこういう子どもたちを育むのだろうか。
観察中です(笑)。
この2つのレーンに十数人の子どもたちがひしめき合う。
ビート板を使って足さばきのトレーニング中。
どれが先生でしょう?っていうくらい子どもっぽい見かけだけど…。
ランキング今日は何位かなぁ?どらどら♪よろしく!

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