「オペラ座の怪人 (The Phantom of the Opera)」
本とか映画とか
2005年の元日は
[The Phantom of the Opera](WB)
(オペラ座の怪人)(←日本公式サイトです。情報はWBの方が多い。どちらもスピーカーの音量に注意!)
を観てきました。世界中でミュージカルとして上演されギネスブックの延べ動員数記録も塗り替えた、あの超有名作品です。
(以下最終的なネタバレはふくんでいませんが、まっさらな状態で映画を楽しみたい方は読まない方が良いかもしれません)
大満足。
2004年の大晦日は「エビータ」をビデオで観たのです。もともと好きだったのですが、英語がある程度わかるようになって初めて原語で理解するエビータには感動しっぱなしでした。
そしてこのファントム。ああ、
苦労して英語を勉強してきて良かった!
実は大ミュージカルファンの私なのですが、どういうわけかオペラ座の怪人とは縁がなくて、今まで舞台を観るチャンスに恵まれませんでした。でも何年か前にオーストラリアで偶然見つけたアンドリュー・ロイド・ウェバーのミュージカルCD3枚組をずっと聴いてきたので音楽は体に染み込んでいます。
そのせいもあるのか、テレビで予告編を観たときからもう物語に引き込まれるようでした。
そして元日。本当は2ドル劇場(ロードショーから1〜2ヶ月経つとこちらに降りてくる)で観ようとおもっていたのだけど、なにしろネットとTVが
新年早々死んでいたものですから「じゃあ、ファントム観に行こう!」ということに。
1時の上映なのに家を出たのが12時40分。シネコンに着いたのは55分頃で、少々慌てましたが恐れていたほどの混みようではなく、すんなりチケットを買ってシートに収まりました。ちなみに1人$6.25。あれ?こんなに安いんだっけ。これなら2ドル劇場を待たなくて正解。
座席の埋まり具合は私が今まで行った中では一番でしたがそれでも8割強くらいでしょうか。オットと子どもたちがThe Lord of the Ringsの最終章The Return of the King(王の帰還)を観た時はほぼ満員だったとのことです。でもそれは公開2日後のこと。
やはりこちらではロードショーでもこんなものなんですね。
予告編で気になる映画は2つばかり。春に公開予定の、ティーンネイジャーがスケート選手になる映画と、もう一つはインドが舞台のPride & Prejudiceだったかな、そんなタイトルの。
観たい映画があるとわくわくしますね。
それはさておき。
本編が始まると1870年代の白黒の世界。そこは荒れ果てたオペラ座あとのオークション会場。老人となったラウル子爵が古ぼけた猿のからくりオルゴールを落札。次にいわく付きのシャンデリアの覆いが取り払われると舞台はそれから数十年前の
きらびやかなオペラ座へ戻ります。
あの音楽と共に活気ある雑多な舞台裏へと引き込まれました。
儚げで純真、そしてまさに歌姫なクリスティーヌ
(スクリーンで観ると100倍綺麗。"Think of Me"の第一声で釘付け!17歳の彼女はなんと7歳からメトロポリタン歌劇場の大舞台に立っているとか。)と、ハンサムで強く一部の汚点もない若き日のラウル子爵。そしてオペラ座の怪人、ファントム。
豪華絢爛なオペラ座にクリスタルの巨大シャンデリア、華やかなマスカレード(仮面舞踏会)…
それに
音楽です。なんといっても音楽! この映画の予告ではA.ロイド ウェバーを「現代のモーツァルト」と謳っていますが、
そう言っちゃっても良いんじゃないかと思えてしまいます。ミュージカル版と同じ曲でも歌手と編曲が見事に「映画版」として最高の聴かせ方になっているのです。
今までに、こんなに美しい映画を観たことがあったでしょうか。
エビータだって十二分に美しかった。非の打ち所がないと思いました。でも、この
[The Phantom of the Opera]の美しさはどうでしょう。
実はところどころに「あらら」と思う場面がなかったわけではありません。→
怪人の歌唱力は”Music of Angel"としてどうだろうかとか、怪人ハンサムすぎとか、お尻で笑い取るようなことしないでよとか、カルロッティあんまりでしょうとか、ラウル突然タイタニックになるなとか…←それでも、そんなマイナス点なんか気にならないほど、完成された映画だったと思います。
切なくて、悲しくて…。でも他にどうすることもできないクリスティーヌの気持ちもわかって。ラウルと並んだ時のファントムの表情。
ハイ、ワタクシ大泣きしてしまいました(T□T;)。映画が終わると、思わず…という感じで一人が大きな拍手をし、それが広がっていきました。アメリカでは一般的にエンドクレジットが流れ始めるとほんの一瞬のうちにサーーーーーッと人がいなくなり、お掃除が始まってしまうのですが今日は席を立つ人々もゆっくり。
私はといえば、ボロボロ泣きながらも冷静に「この顔じゃしばらく外に出られないぞ、困ったな」と思って座っていました。右隣から娘2号のフーが
「ママ、大丈夫?」と気遣ってくれました。見ればフーも目の輪郭がぼやけています。
そこへ隣のシートから囁く娘1号ブー。
「これって原作本あるの?」
さすがに感動して原作を読みたくなったのかと思ったら
「何がなんだか全然わからなかった。ねえ、あのおじいさん、ダレだったの?」
( ̄▽ ̄;)・・・・・。この天然大ボケ女が私の娘…クリスティーヌを演じたEmmy Rossumと3歳しか違わないティーンネイジャー…
次の瞬間。揺さぶられて不安定になっていた私の感情が完全に方向を間違えて噴出。
…ケタケタと笑いが止まらなくなってしまったんです。泣くのも笑うのも感情の制御ができなくなった状態というのは似たようなものなのかもと思いました。
よく見ると前の方の席でもティーンネイジャーの娘たちに身振り手振りで一生懸命説明しているらしいお母さんがいて、それがまたおかしくて。
ともあれ、気分スッキリ、疲れも吹き飛んでしまいました。
最高の映画で幕開けとなった私の2005年です。
(おやおや、昨日と言ってることが違うぞ)
…帰宅後も興奮冷めやらず、音楽を聴いたりネットでいろいろ調べたりしていたのですが、灯台もと暗し。毎日遊んでいるオーストラリア在住友人の掲示板で、ファントムの話が盛り上がっていました。
曰く。
「一緒に行った○○○○が途中で出演者の中に
小泉首相そっくりさんを発見してもう爆笑」
…だって(^^;)。
アンタ
さいてー(爆)>○○○○
こんな友人と一緒に行かなくてほんとーに良かったよ、とフーと共に胸をなで下ろしたのでした。
実は「あ!確かにいたよね、小泉首相!(爆)」なんて思ったのはナイショです。
その後早速ネットでサントラのエクテンデッド・バージョンを注文。アマゾンの書評を読む限りではやはり怪人役の歌唱力が少々取りざたされているようですが、映画を観た今となってはそれでも良い私です。
ついでにロンドンのオリジナルキャスト版(1986年)と四季の今井怪人バージョンも注文しました。四季版は山口怪人とずいぶん迷って選ぶのに結局何年もかかってしまいました。どっちみち芥川英司さんは入ってない…新盤には佐川さんが出てる、旧版には光枝さんが。そして鈴木京子さん対井料さん…キャストでは選べません。結局録音状態の情報で新バージョンにしてみました。こんなに迷ったのだから両方買っちゃえばいいのにね。どうしてもその決断ができない小市民でした。ああ、芥川ファントムがあったら迷わないのに。沢木ファントムだったら?・・・せめてオリジナルキャストで聴きたかった…なんか妄想が入ってきたようで失礼しました。
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