1週間ほど前からショパンのエチュードOp.25-1通称「エオリアンハープ」を練習し始めました。えーと、ホントはその前にOp.25-9「蝶々」とリストの「愛の夢第3番」を人様に聞かせられるレベルにまで高めるのが先なのは重々承知しておりまする(泪)。娘には常々「ひとつの曲がまともに仕上がらないうちに次に手を出しても進歩しない」などとえらそーに言っては嫌われていますが、
ああ、やっぱり私は大人で本当によかった。
日本に住んでいたころ、自動演奏機付きのヤマハピアノを持っていました。
中古で買ったピアノには、何枚かの付属フロッピーディスクが付いていて、その中の1曲に、恐れ多くも、かの
スタニスラフ・ブーニン様演奏による、このエオリアンハープがあったのでした。
自動演奏機というのは、勝手にピアノの鍵盤が動いて、フロッピーに記録された演奏が始まるというすばらしいもので、つまり、
ブーニン様が我が家のピアノを弾きに来てくださるということです(違)。
かくしてブーニン様の演奏なさる流れるようなエオリアンハープの虜となり、10年あまりが瞬く間に過ぎ去りました。
そしてつい先日のこと、日本から持ってきた大量のビデオテープの中に、なぜか
(って自分で録画したに違いないんですが…)「愛と喝采の日々」が入っていました。シャーリーマクレーン扮する、昔、バレリーナの夢をあきらめた中年女性が20年後自分の娘がその夢をつかんだのをきっかけに複雑な思いをする…というような古い映画で、まあ、バレエ映画なんていうのは「ホワイト・ナイツ」にしろ「ダンサー」にしろ「センターステージ」にしろ、ストーリーはあまりにも・・・なものが多いので軽く流してよいのですが、ああいった映画で味わうべきはやはり彼らのバレエです。中でも愛と喝采の日々のエンディングロールに流れる若き日のレスリーブラウンが踊るエオリアンハープ、これに私は目を奪われました。あまりにも美しい。これこそバレエだ!と。
ところで、アメリカで家を買って、真っ先に向かったのがピアノ屋さん♪そこで、運命の出会いをしたのがチェコ製の名器
ペトロフです。このピアノには自動演奏機こそついていませんが、見た目麗しく、その音の響き雷鳴の如し…とはどこかのサイトに書いてあった謳い文句ですが…調律に来てくださるおにーさんも「これなら世代を超えて伝えていけるね」と言ってくださっています。
そう、私はそのペトロフで、かのショパン様のエオリアンハープを…ありえないリズムでありえないつかえかたで「弾く」というかなんと言うか…とにかく練習しているわけです。
ピアノをいじめている、という説もあり。
先日ポーランドへ帰国してしまった私のピアノのtutorであるIlonaに今度会う時までには、なんとかブーニン様の100分の1でもショパンの心を伝えられる演奏ができるようになっていると良いのですが…。
ネットで落とした(著作権切れ)エオリアン・ハープの楽譜
チェコの名器"PETROF" 某友人は「それって銃の名前じゃないの?と言いました。それはトカレフでしょう、ブログの女王よ。

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