【ミトゥンの儀式 005】
そこは、未曾有の領域だった。
熱くぬめった肉は、柔らかくいながら同時にきつく強く僕を包み込んでくる。
こんな快感を僕は感じたことがない。
イレイさんのその部分は、そこだけが別の生き物のように、挿入りこんだ僕を奥へ奥へと引っ張りこもうと蠢く。
「うっ、あっ、あっ!」
我ながら情けない声を、しかし止めることはできなかった。
がそれはイレイさんの方も同じだったらしい。
「ああっ、もっと、奥まで……、動いてっ」
ひどくせっぱつまった声で僕に訴えるのだ。
女の声に求められることでこんなにも心が震える。僕は心が揺さぶられたことそれ自体に感動しながら、イレイさんに体重をのせかけていった。
ふたりのつながりがいっそう深くなる。
「ああっ」
「あああっ」
声が重なる。
僕は彼女の柔らかい身体に自分をこすりつけるようにしながら、腰を前後に動かした。
そのたびに僕の全長がぬめった肉にしごきたてられる。猛烈な快美感に身体が震える。まるで苦痛のようだ。
なのに腰の動きを止められない。
もっと奥へ、もっと深く。イレイさんの奥へ、いやさらなる快感の深みへと、僕は腰をくりだし続けた。
深く。
深く。
打ち込むたびに、快感はより高まっていった。
そして。
つづく

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