果たして。
蛙の神は現れた。
もうひとりの美女をともなって。
「みっ、ミリ様!」
思わず私はその場に平伏していた。
頭の上から声が降ってくる。
「この童か。蛙殿に願いをかなえよと申したは」
涼やかな声、それだけ聞いていると、まるで私とたいして歳の変わらない少女と勘違いしてしまいそうだ。
「そうだ。儂に願いごとをしておるのはこの姫よ」
「姫に生まれたというに、街の女のようなことがしてみたいと」
「そうだ。儂にそう願った。なあそうだろ」
「はっ、はいっ」
私は慌てて答える。
「さあミリよ、姫の願いをかなえてやってくれ。そうすれば儂は安穏な居場所を得られる」
「そう急くな」
とミリ。
「約束は果たしてくれるのだろうな。この姫の願いをかなえたら、妾の女陰をいいと言うまでその粘つく舌で舐めまわしてくれると」
(ひさびさ。続く)

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