アカボシゴマダラ
Hestina assimilis egg laying habit
http://en.wikipedia.org/wiki/Hestina_assimilis
大船の小雀公園でアカボシゴマダラの産卵を撮影できたので、アップしておきます。
本来ならゴマダラチョウが飛んでる場所なんですが、春から毎月調査に行ってても見かけるのはこのアカボシゴマダラばかり。
すっかり住みかを乗っ取られてしまった感じです。
そう言えば、新宿御苑でもよく見かけるようになってきたけど、大丈夫なのかな、ゴマダラチョウ。
アカボシゴマダラ日本では奄美諸島(奄美大島・加計呂麻島・与路島・喜界島・徳之島)だけに生息するタテハチョウのなかまとのことで、僕も数年前に神奈川県のとある里山で初めて見かけたときはビックリしました。
アカボシゴマダラについては、あちこちで詳しくまとめられていますから、下のリンク先からちょっとだけ抜粋して紹介しておきましょう。
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さまよえるアカボシゴマダラ Page1
http://www.ikimono.net/sono47/index.html
そもそも関東地方でアカボシゴマダラが見つかったのは、埼玉県で1995年のことでした。当時も随分話題になったのですが、定着することはありませんでした。
次に見つかったのは、神奈川県藤沢市で1998年のことです。その後、鎌倉市や逗子市など神奈川県の南部で見られるようになり、完全に定着し今日に至っています。
神奈川県に定着しているアカボシゴマダラは、奄美諸島に生息するものとは異なり大陸の亜種で、人為的に持ち込まれたものの様です。
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産卵習性で面白いなと思ったことがあります。
写真を見てわかるとおり、葉の裏にではなくて表側に産むこと、葉の付け根あたりあるいは枝に産んでいることです。
念のため他の枝に着いているのも調べてみましたが、同様でした。
が、もっとたくさん調べたら違ったケースも見つかるのかも知れませんが。
こんな産卵風景を狙うスポットとしては、生垣の中に鳥のフンから芽を出した若木がイイですね。
大きく育った木の樹幹あたりに産んでるのなんかを撮るのは至難の業ですし。
それと、このチョウに限らず、若木やひこばえのイキの良い新芽に執着する種類も少なくないようです。
中央分離帯や街路樹の根占に植えられている植え込みの間から顔を覗かせているミカン類やクスノキなんかも幼虫観察ポイントとしてかなり重宝しています。
さて、アカボシゴマダラに話を戻しましょうか。
この写真では、チョウの後ろの枝にすでに2つの卵が産みつけられています。
が、べつにこれ、順番に産みつけたわけではないんですよ。
1つ産んでは飛び立って、周囲にも適当な枝がないか探すように飛び回って、見あたらないのでまた戻ってきて産卵というような行動を繰り返す内に、こんな風に列になって産みつけられる結果になってしまいました。
ただ、偶然なのかも知れませんが、同じ葉の付け根に続けて産むのは避けているようですね。
あと、面白いなと思ったのが、こんな風に茂みの中まで潜り込んで産卵場所を探すという点です。
これは、以前初めてアカボシゴマダラを見つけたときにも枝をつたってほとんど地際まで降りていくのを見て、何だか変なチョウだなぁって思ったのを思い出します。
その時は、結局葉っぱが着いている枝に行き当たらなかったんで産卵に至らず、何やってるんだか良くわからなかったんですけどね。
卵を産んでるのを見て、なるほど納得した次第です。
もちろん、このアカボシゴマダラに限らず、ツマグロヒョウモンなんかも産卵のためにパンジーの根元あたりまで潜り込んだりする連中も居ますけど、茂みの深さが違うからねぇ。
そう言えば、ジャコウアゲハやアサギマダラも、産卵のために茂みに潜り込みますね。
クモやカマキリなんかの天敵が潜んでるかも知れないのに、勇猛果敢だよねぇって思って眺めてたりする訳なんですが。
子孫を残していくって、大変なんだねと。
A(^_^;