気候変動なんかの話題も、ちょっとばかし加筆しました。
進化の現場に立ち会ってるようで、何だかドキドキしてしまいます。
2010年11月30日の記事「冬のアサギマダラ」で紹介した高尾山のアサギマダラの幼虫。
http://sky.ap.teacup.com/kimama/271.html
はたして年が明けても生き残っているのか、この目でぜひ確かめたかったので2011年2月22日にもう一度探しに行ってきました。
この日は寒波の影響もゆるんで、尾根道を歩いていると汗ばむくらい。
こんな陽気の日の方が幼虫も動き出しているかも競れず見つけやすいかなと言う素人考えで、のこのこ出掛けたのでした。
が、高尾山口に着いてみるとケーブルカーが点検工事で運休だったので、リフトで上まであがり前回とは違うコースを歩いてきました。
えぇ、いましたよ。
寒さで元気の無くなったキジョランの、丸まった葉っぱの中にかくれてました。
尾根の北側の数カ所ではさすがに見つからなかったんですが、南側斜面であっさり見つけることが出来ました。
11月30日に見つけたのよりちょっと大きくて小さな角が着いていますから、どうやら2齢のようですね。
幼虫の成長段階については、こちらが詳しいです。
アサギマダラの飼育
http://www.geocities.jp/n25nmori/asagimadara-shiiku.htm
ところで、ああでもないこうでもないと写真を撮っていたら、まぶしかったのか幼虫が体をくねらせたんですよ。
眠ってるわけじゃないんですね。
調べてみたら、冬場でも暖かい日には少しだけど葉っぱを食べるんだとか。
ふ〜ん。
これは北風が通りそうな尾根筋の林で見つけたサナギの抜け殻。
去年の秋のかな?
南側の谷筋に降りていくと、まだ雪が残っていました。
谷筋の道端にもキジョランは見つかるんですが、どれもくるりと巻いた葉っぱがペッタンと潰れています。
雪に埋もれてたんでしょうね。
念のため探してみましたが、さすがに幼虫は見つかりませんでした。
さて、アサギマダラの幼虫越冬の記録って無いのかなと思って検索してみたら結構出てきました、関東地方が北限のようですねぇ。
一番北の報告は茨城県になるようです。
http://tokyoinsects.web.fc2.com/activity2007/machida070321.html
2007/3/21 町田 終齢?
http://s.webry.info/sp/99tarou.at.webry.info/200912/article_5.html
2009/12/7 高尾山 1齢、2齢、3齢?
http://shizenbonjin.no-blog.jp/blog/2009/02/post_0724.html
2009/2/5 高尾山 2齢
http://plaza.rakuten.co.jp/moto2521/diary/200912140001/
2009/12/14 豊橋 1齢〜サナギ
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007631499
茨城県のアサギマダラ幼虫の越冬について
http://tyoutorin.exblog.jp/14249431/
2011/2/16 小田原市 2齢、4齢
http://kawamo.co.jp/roppon-ashi/sub071.htm
水戸昆虫研究会 会誌
「るりぼし」
No.34(2007年10月25日発行)
05年師走寒波による茨城県のアサギマダラ越冬幼虫への影響 塩田正寛
茨城県におけるアサギマダラ幼虫の越冬地点の追加 塩田正寛
さて、ここで面白いなと思ったことをひとつ。
これまで温暖化傾向が続いていたのは皆さんもご承知ですが、去年、100年ぶりに太陽の不活発期に突入したと言うニュースがあり、気候にどんな影響が出るのかななんて思って眺めてたんだけど、2010年は暑さ寒さともに30年ぶりの記録更新でしたね。
今度は“ミニ氷河期”説も!? 地球寒冷化説の根拠は何?
2010.03.04
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20100304-00001661-r25&vos=nr25ln0000001
大雪の原因、北極発の寒波 「30年に一度の異常気象」
2010年3月18日9時4分
http://www.asahi.com/eco/TKY201003140309.html
今年の猛暑、「30年に一度の異常気象」 気象庁が見解
2010年9月3日
http://www.asahi.com/national/update/0903/TKY201009030466.html
おかげで生物季節もめちゃめちゃでした。
「女心と....」
http://sky.ap.teacup.com/kimama/266.html
そして今年も、<欧州「20年ぶり」の寒波>なんてニュースが。
http://www.cnn.co.jp/world/30001286.html
まぁ、そんななかで、去年も今年も、雪の積もった高尾山でアサギマダラの越冬が確認されているわけですから、これってただ単に温暖化の影響だとは考えにくいですよね。
毎年のように南から渡ってくるアサギマダラ。
その道すがら産卵しながらの移動を何万年かの間?繰り返してきてる訳なんだから、その内に耐寒性のある連中が現れてもちっとも不思議じゃないと思うんですよ。
寒冷地適応の進化の過程を今まさに目の当たりにしている、そんな風に考えてみるのも面白いんじゃないかな。
種という物は、刻一刻と変化している。
そんな現場に立ち会ってるんだと思うと、何ともスリリングじゃありませんか?