高尾山では、冬場でもアサギマダラの幼虫が見られるというので、探しに行ってきました。
以前、圏央道関連の調査で入った頃には、そんなにたくさんあったわけでもなかったキジョランの苗が、林道沿いのあちこちに育っていて、それぞれの若株にほぼもれなくと言って良いくらい幼虫がついていてビックリでした。
今日はまだ出張先なので(佐久平でシカ避けの球根植え作業中)、続きは帰ってから。
さて、続き。
10年ぐらい前、圏央道関連の仕事で高尾山に調査に出かけていた頃には、キジョランが生えているところもそんなになくて、わりと丹念に探したけれどアサギマダラの幼虫の食べあとも見つけられずじまいだった記憶がありました。
でもって、去年あたりにミシュラン3つ星になっちゃって、登山者激増のニュース。
山はオーバーユース状態で、山野草の乱獲にも拍車がかかっているようでした(クモノスシダの大群落は、完全に壊滅。1株も見つけられなくなっていました)が、登山道整備が進んだのが良かったのか、キジョランの苗が至るところで見つかったのには驚かされましたね。
まぁ、これはここ数年続いている酷暑の影響もあるんでしょうね。
しかも驚いたことに、ほぼもれなくどの若株にも幼虫の食べあとが見つかるんです。
せっかくだから、アサギマダラの幼虫の習性についてちょっとだけ説明。
キジョランには毒があるので、幼虫はまず葉脈を丸くかじり取って毒のある乳液を溢れさせます。
丸い穴のまわりに、固まった乳液の跡が白く残ってるの、わかりますよね?
アサギマダラの幼虫は、この丸くくりぬかれて有毒な乳液が抜けた部分だけをかじるんです。
それでも、葉の中に残っている毒は幼虫の体に蓄積され、万が一鳥に襲われたときの役に立つんです。
知らずに鳥が食べると、強い吐き気に襲われ、二度とアサギマダラの幼虫を襲わなくなるんだそうですね。
幼虫の色が、何とも毒々しいデザインなのは、警戒色とも呼ばれ、毒があることを野鳥にアピールする働きがあるんだそうです。