
連絡があったのは24日の夜だった。
佐久平昆虫館も強風に見舞われ、どうやらそのあおりを食らって建物に激突した様子。
発見したときは、まだ温かったそうだ。
ちょっと見たところ、外傷は見つけられなかった。
強く頭を打ったのが死因なのかも知れない。

カワラヒワを手に取ってみるのは初めてだった。
昆虫館のまわりの選択的除草を行い草花を植えてからと言うもの、いつも数十羽の群れで食事に来ているのは見かけては居たけれど、20mぐらいの距離から見るだけだったから、実際の大きさを実感したのはこれが初めてなのだ。
スズメよりは、ちょっとだけ大きめかな。
クチバシも穀類を好む鳥らしく、短くて鋭い。
これで、草の実の殻を割って食べて居るんだろうね。

と、羽の付け根に小さな実がくっついているのを見つけた。
イノコヅチの実だ。
花壇の斜面と道ばたの間にある草地や林の縁に、少しばかりの茂みが残っていたはず。
きっとそこで食事をした後だったんだろうね。
そのことを発見者に告げると、なんのことはない見つけたときには尾羽の付け根あたりにも沢山のイノコヅチを着けていたんだそうな。
鳥の写真を撮ろうと思って、いちいち取り除いたという。
んも〜、それじゃただの図鑑的な、ただ単にお綺麗な写真にしかならないじゃん。
野生の暮らしの痕跡が、少しでも残されている写真の方が遙かに情報量が多いのに。
体のどのあたりにどれぐらい、どんな感じでくっついていたのか、見たかったなぁ。
勿体ないことをしたもんだ。

そのまま骸を埋めてしまえば何も残らない。
それでは何だか勿体なかったので、せめて羽毛をクラフト用に残すことにした。
ついでに、
そのうの中身を取り出して調べてみる。
見た限りでは3種類の種子があるように見える。
細長いのがイノコヅチの種なのかな?

後で蒔いてみようと思って、シャーレに入れたまま1日経ったのを見てビックリ!
もう根が伸び始めている。
1mmちょっとかな。
黒い小さな種の方も1mmの根が出ているのもある。
早いねぇ、ってか早すぎねぇ?

さっそく用意してもらったポットに植えることにする。

2〜3粒まとめて、浅く土に埋める。
この分だと来週初めぐらいには、双葉を観察することが出来そうだ。
楽しみ。
死骸は、去年の暮れにキツネが狩りをした後があったあたり、花壇の端に積もっている雪の上に置いてきた。
野生の暮らしでは特に食べ物の少ないこの季節、だれかのお腹を満たすことが出来れば、この鳥の死も無駄にはならないだろう。