そう、秋はなんと言ってもサバの季節。
「サバ?」
「そう、サバ!」
じゃないでしょ!
クリスチャンヌ・ルグラン?
それは
Cha Ba Da Ba Da!
♪
Comme nos voix ba da ba da da ba da ba da
Chantent tout bas ba da ba da da ba da ba da.
Nos coeurs y voient ba da ba da da ba da ba da
Comme une chance comme un espoir
Un Homme et une Femme
って「
男と女」ざんしょ!
だいいちba da ba da daって
全然サバじゃないじゃん!
まぁ、つまらないおちゃらけはこの辺で。
秋サバは、脂がのって.....もう良いって!
秋の気配が濃厚になってくると、こんな朴念仁でも詩心をくすぐられたりするのだ。
で、いつもなら西脇順三郎なのだが、去年の秋から何だか
サバもいいなってね。
それにしても、詩人の心は、そのまま自然観察者の眼差しだ。
ささやかな発見が、いかに日々を潤していることか。
そこには、科学と芸術との境目はない。
詩人
詩人は、限りある日々を
生きている。
すべての人間とおなじように。だが、
なんと多様な、日々だ!
一日のさまざまな時間、四つの季節、
太陽が翳ったり、風がつのったりは、
いつも違った、気晴らし、みちづれ。
変わることのない彼の情熱にとっては。
朝、起きたときの天気は、
その日いちばんの出来事、
目覚めのよろこび。
なによりものなぐさめは、荒れ模様の
ひかり。たえずざわついている、
よい天気の日々。
群衆のながい行列みたいに、
青空も、あらしも、長くは続かず、
不幸の天使と、勝利の
天使が、かわるがわるに降りてくる。
夕焼けが赤いと、彼はまた愉しくなり、
雲が出ると、彼の幸福の
色も変わる。
心も変わるときがある。
詩人は限りある日々を
生きている。
すべての人間とおなじように。だが、なんと、
なんと、すばらしい日々だ!
ウンベルト・サバ