孫の「さあちゃん」とハイキング。
息子夫婦と一緒に雪遊びや海水浴に行ったことはあっても
「さあちゃん」ひとりで、じじばばと行動するのは初めて。
パパママがいなくても大丈夫かな。
いちじんさんがつり橋を大きく揺らすと、
それを真似てジャンプしながら歩いてゆく。
橋が揺れるのが楽しくてしかたないようだ。
大人にはどうっていうことのないものが、魅力いっぱいのようだ。
川原の砂で遊び、
松ぼっくりを拾って、「ママのお土産にしよう」と言う。
薄暗い森の中に入ろうとするとき、
「ちょっと緊張しちゃうね」と心配する。
緊張、という言葉を知っていることに、私は驚く。
まだお昼には早いので覚満淵まで行くことに。
木々を縫って沼へ続く道を歩き始めると、お腹が空いた、という。
沼が見えてきたところで
「この辺でお弁当にしようか」というと、
「もっと歩きたい」といって、どんどん先を行く。
そして見つけたのがこの場所。
望遠鏡の見方を教えたが、「何も見えない」と言う。
見ると両目を瞑っている。
まだこの年齢では難しいのだろう。
反対側の大きなレンズの方を覗いて喜んでいた。
ナナカマドの実が色づき、通り過ぎる人の目を惹く。
「さあちゃん」に写真の写し方を教えた。
ちゃんと撮れている。
「ねえ、ちょっと撮って」
とまたシャッターを押してもらう。
お昼を食べて眠たそうだったが、もう少し上にある小沼まで行ってみた。
だんだん写真を撮るのが上手になるようだ。
冬になると小沼は一面凍る。
その上を歩いたことがあると、いちじんさんが説明したが
「さあちゃん」は興味がないみたいだ。
もっと大きくなったら体験させたあげたい。
「おおきい あしおとだね」
とさあちゃんが言う。
「ああ、これね。足跡っていうんだよ」
目に入ってくるものが大人とは違う。
きっと、紅葉の美しさ、なんて感じないのだろう。
今度はどこに行こうかな、ともう次のことを考え始めている。