「谷川岳で男性転落」
3日の新聞に、こんな見出しがありました。
ひとりで一ノ倉沢のつい立岩を登攀中の事故とか。
「ひとり」と「登攀」という文字である人を思い浮かべました。
7月に八ヶ岳の硫黄岳で出会った人です。
彼は山を登るというより、岩を登るのが好きだそうです。
私はクラーマーさんと呼んでいました。
硫黄岳から下山中、本沢温泉の露天風呂でもお会いしました。
彼の職業は指揮者。
お忙しいお仕事の合間に岩登りをしているそうです。
それもおひとりで。
一緒に入ったいちじんさんは音楽の話ができてうれしそうです。
私も露天風呂に入りたい・・・。
しかし・・・
そんなとき、彼は
「目を瞑っていますから、その間に入ってください」
と言ってくれました。
それなら、と勇気を振り絞って入ることに。
疲れが取れていきます。
沢の流れの音が心地よいです。
音楽家で登攀する人がいたなんて。
強い印象を受けた人との出会いでした。
新聞を読んで彼のことを思い出したのです。
メールをすると今日になって返信がありました。
そのうち一ノ倉沢に行きたいと。