誰もお客様がいない部屋でのゲネプロ。
今まで相当な時間を費やして練習していたことでしょう。
本番を前にして更に熱が入った演奏をしていました。
こんな近くでピアノ三重奏を聴けるなんて、これほどの贅沢はありません。
ところが三つの楽器が奏でる音量は、この部屋には大きすぎるように感じました。
裏の家へ音が漏れないか、少し心配になります。
母も夫も同じことを思ったようで、二人とも外へ出て行きました。
「大丈夫よ。裏の家にはそれほど聞こえていないから」
外から戻ってきた母のひと言でいくらかホッとしました。
いちじんさんの司会で開演です。
演奏が始まると、ゲネプロの時のような音量がありません。
この位がちょうど良いです。
何しろご近所からクレームがつかないか、いつも心配しているのです。
それぞれの演奏をゆったりと聴くことができました。
どうやら、お客様の衣服や障子が音を吸収してしまうようです。
音って微妙なのですね。
休憩後は障子を開けて演奏。閉めたときとの違いは良く分かりませんでした。