あの最悪だった「
ANOTHER GANTZ 」でズタズタにされたフィルムのオリジナルがこれ。映画にとって編集という作業がいかに大切か、よくわかる作品だ。まあ、「ANOTHER〜」のカットの仕方があまりに酷い、と言ってしまえばそれまでだが^^;
少なくとも、多くを語らなければならない物語の「前編」の作り方としては、ほぼパーフェクト。映画のテンポを乱さず複雑な設定を要領よく説明しているので、原作を未読の者にも世界観がすんなりと受け入れられるし、なにより面白い。近年作られた日本製のSF映画としては出色の作品だと思う。
難点をあえて挙げれば、戦闘シーンがいずれも夜間であるために、意匠を凝らしたであろう敵星人の姿がよく見えず、わけがわからないうちに戦闘が終わってしまう(特に千手観音戦)ことだが、このシチュエーションは原作由来なので変えられないし、敵がよく見えないことにより、日本的な怪談映画にも通じる怖さも醸し出されるので、あるいはこれも計算のうちなのかも。・・・
★★★★

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