「阪急神戸本線と神戸市営地下鉄、相互直通運転への動き」
阪急(神宝線系統)
平成16年10月に、国土交通省近畿運輸局長の諮問機関「近畿地方交通審議会」がまとめた答申第8号では、「既存施設の改良に関し検討すべき主な事業」のうち「乗り継ぎ利便性の向上に資する事業」として、神戸市中心部の三宮駅付近で阪急神戸本線と神戸市営地下鉄西神・山手線との相互直通運転が盛り込まれました。
それに対して、阪急は「神戸市郊外(西神ニュータウン)と大阪都心部が繋がれば、利便性が高まる」として前向きな姿勢を見せたものの、当時、地下鉄を運営する神戸市側は、阪急が乗り入れるようになると新神戸駅(山陽新幹線との接続)や谷上駅(神戸電鉄有馬線との接続)への本数を削減せざるを得なり、地下鉄運営上のメリットがほとんど無い上に、事業費が1900億円に上るなどの理由から難色を示し、この件に関してはその後ほぼ全く進展が見られませんでした。
しかし、今月9日、神戸市の久元喜造市長が、就任後初となる市議会の本会議で、三宮の活性化や西神ニュータウンから大阪・梅田への利便性を向上させることなどを目的として、地下鉄西神・山手線と阪急神戸本線を三宮付近で接続し相互直通運転する案の検討に入るという考えを示しました。
現在の案では、阪急神戸本線の春日野道駅以西を地下化して地下鉄に直通するとしており、実現した場合、現在高架駅の神戸三宮駅は地下駅化されるため、現在の神戸三宮駅と繋がっている神戸高速鉄道は、新たな神戸三宮駅とは切り離されることになり、そのため、阪急と神戸高速鉄道との直通運転(神戸高速鉄道・新開地方面行きの特急)は廃止になる見込みで、その代わり、新たに、阪急梅田駅と地下鉄の西神中央駅を結ぶ特急が運行されるとみられています。
久元市長によると、「相互直通運転による地下鉄沿線への影響、技術的な課題の検証も含めてメリット、デメリットを研究したい」とのことです。

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