平成18年7月28日の記事でも書かせていただきましたが、私は同年7月末頃、2泊3日の旅程で関西を旅行し、神戸、大阪、京都、吉野、和歌山などを周ってきました。
そしてその時、私は初めて和歌山電鐵貴志川線(和歌山〜貴志間14.3km、駅数14、全線単線、全線直流600Vにより電化)の電車に乗ってきました。この記事に貼付の写真は、いずれもその時(平成18年7月)に撮影してきた写真です。
和歌山電鐵は、私が乗車してきたその年の4月に、南海電気鉄道貴志川線の運行を引き継いだ鉄道会社(会社の設立はその前年・平成17年の6月)で、南海の路線と車両をそのまま引き継いだため車両のカラーリングは南海電車と同じでしたが(多分現在はかなりの車両が塗装を変更していると思いますが)、南海グループに属する会社ではなく、岡山電気軌道(岡山市内で2路線の路面電車と、路線バス・貸切バスを運営している会社)が100%出資する子会社であり、岡山県を代表する企業グループ「両備グループ」に属しています。
南海による貴志川線の鉄道事業廃止表明を受け、和歌山県、和歌山市、貴志川町(当時)が貴志川線を存続させるため事業の引き継ぎ先を公募し、それに応じた9つの企業・個人の中から岡電が選ばれ、岡電が和歌山市内に新会社「和歌山電鐵株式会社」を発足させたのです。
和歌山電鐵という社名は、親会社の岡電が一般公募した中から選ばれたもので、あえて「鉄」の旧字体である「鐵」を使用しているのは、「鉄」の文字を分解すると「金」を「失」うになり縁起が悪いということと、鉄(鉄道)の基本に立ち返る、という意味からだそうです。
和歌山電鐵は、近年では、貴志駅の猫の駅長「たま」の人気や、「いちご電車」「おもちゃ電車」「たま電車」の運行などで全国的にも注目を集めています。
また、大手民鉄(南海)が廃止を表明した万年赤字のローカル線を、第三セクターの設立により存続させるのではなく、同業他社の民間企業が引き継ぐことで存続した事例として、しかも、その取り組みが成功している事例(平成9年以降毎年減少していた輸送量は和歌山電鐵に経営移管後増加に転じており、また人件費や減価償却費を中心に大幅な経費削減を行った結果、赤字額も激減しています)としても、大いに注目を集めています。

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