前回の記事や
前々回の記事で報告させていただいたように、私は先週、2泊3日の旅程で神戸や九州北部(福岡・久留米・熊本など)を旅行してきたのですが、今回は、その旅行で私が見学・撮影してきた、各駅の「車止め」を紹介させていただきます。
車止めというのは、線路がそこで行き止まりであることを示し車両を強制的に停止させるための、線路終端に設置されている構造物のことで、単にバラスト(砂利)で覆われて行き止まりになっている簡易なものから、油圧式の緩衝装置が備えられている本格的なものまで、実にいろいろな種類があります。
▲ 阪神の三宮駅。
相対式・島式・頭端式の各ホームから成る4面3線の地下駅で、この車止めが設置されているのは行き止まりになっている3番線です。油圧式の緩衝装置が付いている車止めは、車止めとしては高価で構造としても大掛かりなものなのですが、この車止めは、油圧式としてはややシンプルな構造に見えます。
ちなみに、この車止めが設置されている3番線は、阪神三宮駅では近鉄の6両編成の電車が対応している唯一の番線です。
▲ 神戸電鉄(
神戸高速鉄道南北線)の新開地駅。
頭端式(櫛形)2面3線の地下駅で、全ての番線が行き止まりになっています。この車止めも油圧式の緩衝装置が付いたものですが、阪神三宮駅の車止めよりはかなりゴツい形状になっています。車止めの後ろにはバラストも敷かれており、万一列車が過走して接触しても、低速ならば比較的安全に停止できそうです。
但し、例え低速であっても列車が車止めに接触する事態は“事故”であり、その場合車止めは間違いなく損壊します。
▲ 西鉄の福岡(天神)駅。
頭端式(櫛形)4面3線の高架駅で、西鉄最大のターミナル駅(九州全体でもJR博多駅に次いで2番目に利用客が多い駅)です。新開地駅同様、全ての番線が行き止まりになっていて、車止めにはゴツいタイプの油圧式緩衝装置が設置されています。
やはり、利用客が多く信頼性と安全性が特に要求される大都市のターミナル駅の線路末端には、こういったタイプの車止めが設置されることが多いようです。
▲ JRの熊本駅。
島式や頭端式のホームが融合した3面7線(但し現在建設中の新幹線用の番線は除く)の地上駅で、この写真の車止めは頭端式ホームの「0番Aのりば」の線路に設置されています。線路終端を示す標識がかなり大きいのが特徴です。
▲ 熊本電鉄の上熊本駅。
相対式1面1線の無人駅です。一見、鋼材を櫓型に組んで作られただけの簡易な車止めに見えますが、その鋼材の後ろにはバラストが敷かれており、更にその後ろにはコンクリートの車止めも設置されているので、列車が接触した際の安全性や強度という点では、実は結構頑丈な車止めのようです。
▲ 熊本市電の上熊本駅前電停。
頭端式ホームの3面2線を有する地上駅(電停)です。今回の旅行で私が見た車止めの中では最も簡易な構造で、移動式と思われるドラムタイプのものが設置されており、鉄道の車止めというよりは、駐車場や工事現場などで見かける車用の車止めにも見えました。

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