「天王寺駅前〜浜寺駅前間、36年ぶりに直通運転復活!」
路面電車
大阪で唯一路面電車を運行する阪堺電気軌道は、今月22日、「7月4日から上町線 天王寺駅前(大阪市阿倍野区)〜阪堺線 浜寺駅前(堺市西区)間で直通運転を行う」と発表しました。
同区間で直通運転が再開されるのは36年ぶりのことで、現在は恵美須町(大阪市浪速区)〜浜寺駅前間で行われている直通運転を、再開発が進む天王寺駅前発着に切り替えて利用者増を目指すとしています。
ちなみに、下の路線図が現在の
阪堺電車路線図と運行系統図です。
恵美須町〜浜寺駅前間は長い間、阪堺電車のメイン路線で、昭和50年は1日あたり約13万人が利用し、天王寺駅前方面の利用者より約2万人多かったのですが、沿線人口の減少や地下鉄延伸の影響などで平成17年は約8千人にまで減少し、天王寺駅前方面より約6千人少なくなっていました。
こういった乗客数の逆転現象や、天王寺駅前で再開発(日本一の超高層ビルなどができるそうです)が行われていることなどを受け、同社では直通運転を天王寺駅前発着に切り替えた方が利用者増を見込めると判断し、来月4日のダイヤ改正で天王寺駅前〜浜寺駅前をメイン路線に変更することにしたのです。
現在、天王寺駅前発の電車は
住吉公園(大阪市住吉区)と我孫子道(同区)行きのみ設定され、浜寺駅前方面に行くには住吉もしくは我孫子道などで恵美須町発の電車に乗り換える必要がありますが、ダイヤ改正後は、天王寺駅前発の電車が浜寺駅前まで直通運転されるようになり(平日は1日157本運行、片道45分)、逆に、今まで浜寺駅前まで直通運転していた恵美須町発の電車は、朝夕のラッシュ時を除いて我孫子道までの運転となります(恵美須町〜浜寺駅前間の直通電車は現行の1日170本から、朝夕のみの14本に減らされます)。
下の写真は、櫛形3面2線のホームを持つ恵美須町駅です。
改札口はなく外から直接ホームに入ることが可能ですが、始発駅らしい構造の駅で、かつては1番線乗車ホームの裏手にもう1本線路があって、昭和55年に廃止された平野線の発着線となっていました。
ダイヤ改正により同駅発着の直通電車が大幅に減ることになり、今後は駅としての雰囲気が更に淋しくなりそうです。
下の写真は、36年ぶりに復活する直通電車の新たな発着駅となる、櫛形相対式2面1線のホームを持つ天王寺駅前駅です(
札幌の市電の停留所「すすきの」や「西4丁目」とほぼ同一構造です)。
東側のホームを乗車用、西側のホームを降車用として使用しており、小規模ながらもターミナル構造になっている恵美須町駅に比べると、いかにも“路面電車の停留所”といった雰囲気が漂う簡易構造の駅ですが、この駅には、恵美須町駅には設置されていない窓口や改札口があり(阪堺電車では唯一の改札口)、改札口では午前7時〜午後9時まで集札業務を行っています。


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