新年の御挨拶がすっかり遅れてしまいましたが、皆様、明けましておめでとうございます。本年も宜しく御願い致します!
さて、平成21年の第1回目となる今回の記事は、「近畿の駅百選」にも選出されたことのある、叡山電鉄の「鞍馬駅」についてです。
この駅は、私にとっては京都に滞在していた頃僅か2〜3回しか利用したことのない駅ですが、しかし、重層入母屋屋根の風情のあるその和風駅舎(下の写真参照)や、牛若丸・鞍馬天狗などの伝説で有名な鞍馬寺の門前町としての駅周辺の趣のある雰囲気は、今でもとても印象に残っています。
叡山電鉄は、出町柳〜八瀬比叡山口を結ぶ5.6kmの叡山本線と、その叡山本線の中間駅である宝ヶ池から分岐・北上して鞍馬まで延びる鞍馬線8.8kmの2線から成っており、そのため叡山電鉄には、叡山本線・鞍馬線双方の電車が発着する京都市街地側のターミナル・出町柳駅(同駅は
京阪鴨東線の出町柳駅とも地下の連絡通路で結ばれています)と、叡山本線の終点・八瀬比叡山口駅(ここから約200m歩くと叡山ケーブルのケーブル八瀬駅があり、比叡山山頂方面へと向かうことができます)、鞍馬線の終点・鞍馬駅の3つの終端駅があり、鞍馬駅はその終端駅のうちの一つです。
なお、出町柳駅の写真は
平成18年6月22日の記事に、八瀬比叡山口駅の写真は
平成19年5月26日の記事と
平成20年12月17日の記事の記事にそれぞれ掲載しておりますので御参照下さい。
昭和4年に建てられた鞍馬駅の駅舎は、写真のように神社仏閣型の和風木造建築で、京都は名立たる神社仏閣が多いにも拘らず実はそれらを模した駅舎は意外に少ないため、京都ではこのような形の駅舎は珍しい部類に入ります(全然古都らしくない、未来的なデザインのJR京都駅を筆頭に、京都は駅舎に関しては革新的な土地柄なのです)。
駅としての構造は、島式ホーム1面2線を有する地上駅(下の写真参照)で、出入口は分離されており、出入口共に自動改札機が設置されています。
早朝・深夜以外は駅員が配置されており、駅員が配されている時間内は、出町柳からの電車が発着し(出町柳〜鞍馬間の所要時間は約30分です)、乗客が乗車・下車する時間帯以外は入口の改札機前にロープが張られホームに入場することはできなくなっています。
なお、駅員が無人の時間帯は駅舎は閉鎖され、乗客は駅舎内を通らずに直接外からホームに出入りします。
下の写真は、鞍馬駅構内に停車中の
デオ900型で、この電車は平成10年に「第38回ローレル賞」を授章している叡電の傑作車で、一般には「きらら」の愛称で親しまれています。
駅舎の傍らには、鞍馬寺を象徴する巨大な天狗のオブジェと、旧型電車デナ21の先頭部と動輪が展示されており、また、駅から100m程歩くと鞍馬寺の山門(仁王門)があるのですが、この山門からは、日本で唯一宗教法人(鞍馬寺)が経営する地方鉄道として知られている、山門〜多宝塔間200mの距離を途中行き違いなしに走る日本一短いケーブルカーが走っています。

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