5月9日の記事でも書かせていただきましたが、私は今年の5月、初めて、大阪市天王寺区上本町6丁目にある近鉄大阪線・難波線の上本町駅を利用・見学してきました。
上本町駅は、元々は近鉄の前身である大阪電気軌道が、大阪と奈良とを結ぶ路線の大阪方のターミナルとして大正3年に開業させた駅で、当時は3面2線の、現在と比べるともっと小さな駅でした。
その後、何度かの大きな変遷を経て上本町駅は近鉄大阪線の大阪におけるターミナルとして発展・拡大を続け、昭和45年3月15日(大阪万博オープン当日)に、近鉄が長年の懸案としていた上本町から大阪の中心部・難波への路線延伸を実現させて以降は、同駅は
難波駅へと続く難波線のホームがある地下部(相対式2面2線)と、同駅で行き止まりとなっている従来からの地上部(頭端式ホーム7面6線)との上下二層に分かれた構造の駅になっています。
東京でいえば、京王の新宿駅がこれに近い構造ですね。
京王新宿駅は、地下2階に自社線内列車の発着に使われる頭端式ホームがあり、地下5階に地下鉄と相互乗り入れをする列車が発着する島式ホームがあります。
ちなみに、北海道には上本町駅や京王新宿駅のような二層構造の駅はありません。
上本町駅は、地下3階に設けられた相対式ホームが難波線・大阪線共用のホームで、北側から1〜2番線となっており、奈良線の電車や、難波と名古屋を結ぶ名阪特急(
アーバンライナー)、大阪と伊勢を結ぶ阪伊特急の一部がここから発着しています。
一方、地上1階に位置する、大阪線専用のホームは北側から3〜9番線となっていて、いずれも各線路の両側にホームのある頭端式(櫛形)構造となっているため、それぞれ乗降が分離されています(乗車用ホームと降車用ホームに分かれています)。
なお、一番南の8〜9番線は原則として特急用です。
下の写真2枚は、いずれも地上ホームです。
上本町駅から難波駅へと延びる地下線(難波線)が開業して以降、近鉄大阪線の大阪方の終端駅としての機能は上本町駅から難波駅へと移りましたが、上本町駅は今でも、大阪における近鉄の“表玄関”の一つとして、ターミナルとしての機能を果たし続けています。
なお、上本町駅は来年、
阪神なんば線の開業と同時に「大阪上本町駅」に改称される予定です。

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