しま太郎は知っていた。
よその家では、ひき肉のカレーであったり、スープカレーであったり、タイ風カレーであったり、様々な魅力的なカレーが食卓に出てくるということを。
でも、うちのカレーをいったら、常にバーモントカレー。
ジャガイモとニンジンとタマネギと薄切りの牛肉。
なんのへんてつもない、ごくごく普通のカレーライスである。
カレーというのにまったく刺激のない甘口のカレーライスである。
とか、なんとか、言いつつ、
いつも3杯はおかわりする、しま太郎であった。
きょうもきのうの晩のカレーが残っているので気分は上々である。