
人間国宝 須田賢司 作品展「木工藝の清雅」を拝見
只今、甘楽町の長岡今朝吉記念ギャラリーにて須田賢司氏の展覧会を開催しております。昨年重要無形文化財(人間国宝)に認定されました須田賢司氏の木工藝の真髄をつぶさに見ることが出来ます。其の精緻な技術もさることながら、タイトルの如く清雅な作品は、須田氏の人間性を如実に表した、素晴らしいものです。単に美しいと言う言葉では表せない、作品に込められた精神性と人生観を感じる事ができます。地球上の生命体で根源的な生物である樹木と言う最も長寿な木は、伐り倒されたらその寿命は終わると思うのが一般的な観念かも知れませんが、数百年、数千年と成長を続けた木は、更に伐り倒された時点から新たな命に生まれ変わり成長を続けると感じました。その命の尊さと美しさを引き出して、私達を魅了させてくれる極めて希有な技の持ち主が人間国宝須田賢司氏である。中国の歴史、古典を学び、漢詩をこよなく愛でる須田賢司氏ならではの作品は、鑑賞する人々を魅了して止まない。数年前友人とご一緒に我が工房を訪れて頂いて以来のお付き合いであるが、人間国宝と言う、工芸家の最高峰に上り詰めた今も、変わらぬ謙虚さを併せ持ったお人柄は、真に人の上に立つ人であると感じ入る次第です。展覧会は4月12日までです。ぜひご鑑賞下さい。

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