「山田由紀子リサイタル(プッチーニのヒロインたち」
音楽

作19日夜、高崎シティ―ギャラリーコアホールにて、「プッチーニのヒロインたち」のタイトルで、ソプラノ歌手山田由紀子さん(藤原歌劇団)、ピアノ伴奏今井陽子さんによるオペラのアリア公演が開かれ、250人余りの観客を陶酔させた。タイトルの通り悲劇のヒロインを演じてのコンサートであるが、それは誰もが胸を焦がすような恋の物語である。日本人にはお馴染みの「蝶々夫人」は何時聴いても切なく悲しい!

山田さんの蝶々夫人は本舞台を鑑賞したし、アリアは何回か聴いた。いつも全身で歌い演じる。
蝶々さんになり切って居るのである。美貌と美声と演技力は、本場のオペラ歌手もおよびでは無い。
なぜなら、日本人ゆえの心を持って演じる事が出来るからである。いくら美声でも、太めの蝶々さんは観たくない!山田さんはその体形とスタミナを維持する為に毎日欠かさず、筋力トレーニングを欠かさないと言う。
一部は和服で演じ、二部では真っ白なドレスで歌った。なぜ白かと言うと、プッチーニのオペラに共通するピュアな女性の心と、果ては死を意味する何にも染まらない純真な愛の色、つまりビアンカであるとの事。
<アンナ>「もしも私が小さい花ならば」では忘れな草が重要な役割を果たす!
内容は省略しますが、小道具に、忘れな草の小さな花束を持って演じ始めた。
ステージから客席に降りて歌いながら、私の近くに来てくれた!「私はここに居ます」と言わんばかりに微笑みと高揚で山田さんを迎えた! その小さな忘れな草の花束をそっと私に差し出してくれた!天にも昇る心地で胸が高鳴りっ放しで収まらない! 少し後席に行き一人の男性にも差し出した。
先の衆議院選で初当選した、元総理大臣の子息福田達夫氏であった。
ステージに戻られた山田さんは、おもむろに、花束を渡した訳を語りだした。私の名前を言い出したので益々高揚してきた!実は黄綬褒章を受章した賛辞であった。勿論福田氏も当選の賛辞であったのだ。会場には私を知る多くの観衆が居たのである。私は座席から立って皆に挨拶した。まさにサプライズであった。花言葉は「真実の愛」である。オペラでは忘れな草を愛する人にそっと忍ばせる。其の愛する男性は、その妖精に森の奥深くに導かれ、森の中で死ぬまで踊り続けると言う。
忘れな草の小さな花束!死ぬまで踊り続けたい心境!
会場いっぱいに広がる美声と熱演に酔いしれた一夜でした。

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