「介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常」本岡類 新潮社 (2009/05)
時間に追われ苛立つスタッフ、荒っぽい介護、低下するモラル。職員も入居者も、心をすり減らす24時間…。ヘルパー2級を取得し、時給850円で働いた作家が実感した「老いの現場」の苦闘、高齢者の本音、垣間見える人生の断面、そして希望の可能性。人は介護を受けるために生きているのではなく、生きるために介護を受けるのだ―。介護のいまを考え直すノンフィクション。
これまでマイクは楽しい終末期を真剣に考えてきたようでも 本当の終末期の実際をそんなに見聞きしていないことに何となく後ろめたさを感じてしまいます
そのマイクがこの介護の実態を体験ルポする本を読んで 介護する困難さと実態を一杯知ってしまった
耐えがたいウンチの処理や内部の葛藤には目を背けたくなることばかりでした
骨と皮になって精神病棟のような中では生きたいとは思えなくなるほど後味の悪い気持ちです
終末期の前に自己決定・自己責任で 尊厳的に安楽死すべきではないかと 宗教家でなく「欄」の小説家として自死を納得する寂聴の思いにマイクも納得する
社会的な影響の大きい寂聴や山折哲雄がどのような死を選ぶか 待ち遠しいし 終末期センターより ズバリ安楽死センターの必要を感じてしまいます
しかしそのセンターには もっと難しい現実が迫りくるであろうと思うと萎縮しそうです

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