第17期24名人戦予選に4日目の出場となりました。本日は2局のみでした。
1局目は先手番。ゴキゲン中飛車との対戦となりました。こちらは定跡の進歩についていけないということで、昔よく指していた糸谷流右玉で対抗しました。
中盤で飛車を召し取る形になりましたが、こちらは薄いので形勢は微妙です。第1図は歩のたたきを▲6七同金と取ったところ。
第1図からの指手
△3六歩▲同金△5四飛▲同銀△同銀▲6四歩△6二金引▲5九飛△5五歩▲3二角
△7八角▲6六金△5六歩▲5八歩△6八銀▲2九飛△7七銀不成▲5四角成
△6六銀成▲同銀△6七角成▲5五馬△7四桂▲7五銀△5七金(第2図)
このあたりが一番怖いところでした。▲6四歩は微妙なところで、ここに歩を打つと△7八角に▲6八歩の受けがなくなります。かといって打たないと今度は攻めが難しい。▲6四歩、▲3二角、▲6六金あたりが一番苦心したところでした。
そして迎えたのが第2図。どうするかかなり迷いました。
第2図からの指手
▲3八玉△5八馬▲2七玉△4七馬▲3八銀△4八金▲4七銀△同金▲2六玉(第3図)
取るのと本譜とどちらが明快なのでしょうかね?取らない意図は、
●歩を成るまで底歩等が利かない
●と金や馬の活用が遅い
ですが、代わりに1枚攻め駒が多いことになっています。本譜は▲2六玉の早逃げが当然ながら好手で、ようやく光が見えてきました。
2局目も私が先手番で相手はゴキゲン中飛車となりました。
前局の余韻がありましたので、もう一度ということで糸谷流を連採。今回の相手はバランスよく組み上げてきました(第4図)。
第4図からの指手
▲9五歩△同歩▲同角△8四歩▲同角△9八歩▲9二歩△同香▲9三歩△同香
▲同角成△同玉▲9八香△9四歩▲9九飛△8三金▲9六香打△6一角▲8六歩(第5図)
角を覗いて桂を跳ねてしまっているので、あまりぐずぐずしていられない形になっています。成算あった訳ではないのですが、思い切って端攻めを敢行しました。
△8四歩のあたりは難しいところ。△9三歩と謝るのだったかなあ、という感想もありました。
本譜はこちら駒損の代わりにうまく端を破れるかどうかが勝負。△6一角は徹底抗戦の意志ですが、自陣角を打ってしまうとこちらもゆっくり攻める事が出来ますので善悪は微妙。ただし、こう徹底抗戦されるのも、なかなか一筋縄ではいきません。うまく端を破る順はないものかと、苦心しました。
進んで第5図。
ここで本譜は△6五歩でしたが、△8四歩と受けられると自信ありませんでした。本譜は△6五歩に▲8五歩と伸ばしたのが大きな手となりました。端を攻めた時に▲8四金と打てる形になると飛車を成りこむ事が出来ます。その橋頭堡が確保できました。
以下、快調に攻め込んで迎えたのが第6図。決めに行ったのですが…。
第6図からの指手
▲4五桂打△同歩▲同桂△2二玉▲5三桂成△同角▲2七金△6二香
▲3二角成△同金▲5三竜△同香▲4四角△3三銀▲5三角成△2九飛
▲4一銀△4二歩▲3二銀成△同玉▲4三金△2二玉▲3二飛△1三玉▲3三金(第7図)
龍を逃げるかどうか迷ったのですが、踏み込んでみました。金を取れば何とかなると思ったのですが、まず△5三同角を軽視。本当は無視して攻めたかったのですが、さすがに王手で金を取られる順は紛れると考えて▲2七金。そこへ△6二香!この手は全くうっかりでした。少なくとも角を渡す展開になりますので、薄い自玉が一気に危うくなりました。こんな展開になるなら、第6図の2手前に黙って龍を93にでも逃げておくべきでした。
ここで少し時間が残っていたのが幸いしました。龍を切ると▲5三角成まではほぼ一本道。そこでの△2九飛があと1枚銀を渡しても詰めろにならないので、ギリギリ残っていそうということを確認する事が出来ました。
第7図からは△5九角▲3八玉△2七飛成と進行し、ギリギリ詰まず。これは運が良かったです。
これで36点。31位とは10点ほどしか差がありませんので、どんどん対局を消化しなければなりません。まだまだ長い戦いは続きます。

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