皇室典範改正に動き
■まず、12月2日のニュースです。
皇室典範改正準備室を設置
政府は一日、皇室典範改正案の次期通常国会提出に向け、「皇室典範改正準備室」(室長・柴田雅人内閣総務官)を内閣官房に設置した。十五人態勢で準備を進める。
安倍晋三官房長官は同日の記者会見で「通常国会提出に間に合うような作業をしなければならない」と強調。小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東大総長)の報告書は女性・女系天皇を容認し、継承順位は長子優先が適当としている。
(産経新聞) - 12月2日2時51分更新
|
■これが約二週間経過した本日12月16日16時頃の速報
「自由に議論すればいい」 首相、皇室典範改正で
小泉純一郎首相は16日昼、女系・女性天皇を容認する皇室典範改正に関連し、自民党内で男系天皇維持を求める意見が強いことについて「さまざまな意見がある。国民全体の議論で、自由な議論をすればいい」と述べた。官邸で記者団に答えた。
(共同通信 FLASH24)
|
小泉首相が本気で「女系」を認める方向で改正するつもりならば、議論は「皇室典範に関する有識者会議」で終了したとして、国会に法案を提出するという手順になるはずです。そのための「有識者会議」ですから。
これから「国民的議論を始める」ということになると、女系推進は「一歩どころではなく後退」したことになります。というのは自民党小泉総裁の任期が来年9月までとなりますから、今から国民的議論をしていたのでは間に合わない。
そういう状態で、今から国民的議論を始めるということは、実質的に
「任期中の皇室典範改正には拘らない」という意思表示だと思います。加えてポスト小泉として有力な安倍、麻生は共に「女系」には慎重な立場ですから、実質的に
皇室典範改正を「あきらめた?」ように思えます。
■有識者会議のお粗末さ
小泉首相が皇室典範改正を断念した理由としては、有識者会議のレベルが低すぎて、批判に耐えられなかったという事情があると思います。
具体的には
(1)「男系の女性天皇」について議論されていない。
(2)史上例がない女性天皇の配偶者(夫)をどう扱うのか。
(3)女系継承を認めると、女性皇族は結婚しても皇室に留まることになり配偶者も皇室に入ることになる。皇族・皇室共に増えるが、それで国民の理解が得られるのか?
(4)外国人が女性皇族と結婚すると、外国人でも皇族となるが、それで国民の理解が得られるか。
(5)歴史も伝統もない一般人の子供や、外国人の子供が日本国の象徴となりうるのか?
(6)史上初となる女系天皇のストレスについて。
(7)天皇が「天皇たる理由」について。
筆者がざっと見た範囲でも、以上の点について議論が不十分でした。要するに、集まったのが
"自称有識者の素人"だったので、何を議論したらよいのかすら分からなかったということです。
仮に女系天皇を容認するのであれば、これは歴史上例がないことですから、細部を煮詰めて新しいシステムを構築する必要がありました。例えば「女性天皇の配偶者をどのように呼ぶのか?」、という単純な問題から考える必要があったわけです。
二千六百年も続いた男系継承のシステムを変えるというのは、技術的な面でも大変なことであり、少なくとも歴史の知識もない、皇室の知識もない、「ロボット工学の専門家」や「自動車製造販売業の会長」が出来るような仕事ではないんですね。彼らは、システムを変えることによって、どういう問題が発生するのかすら分からないのですから。
虚栄心にかられ、ろくな知識もないのに有識者会議に参加しトンデモな結論を出したことで、結果的に「自称・有識者」の方はその見識を疑われる結果となったわけですがこれは自業自得。
本物の有識者や、世間一般から批判を浴びるような「馬鹿げた答申」を全会一致で出した責任は、彼ら自身(有識者会議メンバー)にあることは言うまでもありません。
恥をかきたくなければ、専門外なのに「有識者会議」など参加するべきではないのです。みなさん「いい年」なんですから身の程を知りましょう。
ほっと一息ついたらクリック
空気が読めなかった自称・有識者の面々さらしあげ。
皇室典範に関する有識者会議メンバー
岩男 壽美子 武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
緒方 貞子 国際協力機構理事長
奥田 碩 日本経済団体連合会会長
久保 正彰 東京大学名誉教授
佐々木 毅 前東京大学総長
笹山 晴生 東京大学名誉教授
佐藤 幸治 近畿大学法科大学院長、京都大学名誉教授
○ 園部 逸夫 元最高裁判所判事
古川 貞二郎 前内閣官房副長官
◎ 吉川 弘之 産業技術総合研究所理事長、元東京大学総長
◎座長 ○ 座長代理
(五十音順)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/konkyo.html

0