あるブログの日本人管理人より名指しこそされてはいませんが、当ブログに対し「差別主義者による情報」で「振り回されるな」との記載がありました。だいぶ誤解されているようなので少し反論してみたいと思います。せっかくの機会なので数回に分けて続けます。御了承下さい。
(1)「この国で正しい情報は無い」ということ
この国では言論、報道の自由が認められていません。共産主義国家でありながら平等公平の「現実」はありません(勝g小平「先富論」参照)。この現実を日本人は「矛盾」と捉えますが、こちらでは「中国独自」としています。参政権も一部党員に限られています。中華人民共和国は全ての面において永遠の中国共産党指導による国家です。当然党員と一般人には明確な差があります。つまり格差に加え階級国家と言えます。階級国家である以上、情報が上から下の人まで全ての人間に正しく伝わるなんて事はありません。場合によっては言論、情報の無差別共有が国家の崩壊に繋がるからです。
「正しい情報は何か」を知る、知らせる必要はお上の一存であり、義務も全くありません。ですから「正確な情報」を「正確」、「正確」を「デマ」、「デマ」を「正確」、「デマ」を「デマ」と発表する(まあ普通はいちいちしませんが)のもお上の一存。一般人は自己責任のうえで四者択一。「正解」は知る由も権利もありません。
ついでに中国で「正しさ」を追求するのも非現実的です。この国がどのように成り立っているのか(歴史、仕組み)を学べば情報封鎖、歪曲はむしろ当り前、普通の事なのです。日本とは違うのです。「正しさ(情報)」、「本物(DVD)」、「誠実(人)」、「正確(バス・飛行機)」・・・。こちらでは全て「理想」に過ぎず、「現実」は反対で十分なのです。実際にこの国は発展著しく、機能しているどころか国連五大国、「アジアの雄」、それどころか「世界の二大巨頭」の座は時間の問題です。
「領事館から発表があれば正確」や「デマ情報の判断」もあなたの勝手です。ただ日本国領事館には独自の捜査権が認められていなく、中国側からの連絡を待つしか手立てがありません。今回の「オリンピック広場における殺傷事件」の犯人逮捕は極めて難しい、当然保障も絶望と考えるのが現実なんです。
まだ記憶に新しい、西安における「日本人留学生、西北大学寸劇事件」で事件の一部始終、その上「正解」が外務省、領事館から公式発表されましたか?真相は結局「うやむや」でしょう?
この国は「人治国家」=「人脈が何より大切な国家」であり、かつ「中華思想」による「自己中心主義国家」です。人脈を持たず、中国人にも該当しない外国人(それも日本人)のために中国の警察が今も犯人を捜してくれているなんてことはまずありません。福田政権からも分かるように日本国外務省は今こちらの政府に対して極力争うことは無く、「輪」(弱腰?!)を第一としています。瀋陽、大連の領事館では共に日本人館員と会うことすら一苦労、十分な「サシ」での話し合いはなおさら一苦労ということもお忘れなく。
私の発言の何を持って「不安・危険を煽る」と考えられたかは疑問ですが、言葉に不自由しなくなり、人脈も広がり、現地の人との交流が増えてくると中国の真の姿(はっきりいって「怖さ」のみ)が自分なりに見えてきます。言葉がダメ、通訳必要、交流が苦手では「絶対に」真の姿は見えません。こんな国です。あらゆるシュミレーションを考え、常に最悪を考えるのは保身の必要最低限の行動です。
「理想」と「現実」。このギャップに板ばさみになってこの地を去る外国人(日本人のみならず)は後を絶ちません。一方でこれが悠久の歴史を持つ国の強みです。わが国に例えれば外国人が日本の「わび・さび」を理解できないのと同様、外国人が中国の悠久の歴史、文化、風習、習慣、お約束を簡単に理解するなんてことは無理どころか絶対に不可能なんです。
中国はコスト、人件費が安い?!巨大市場?!(笑)
実際に進出してきた日本人、企業で経済的に「バカ勝ち」した(し続けた、している、し続けている)人、企業がどれほどありますか?中国理解の難度は中国語習得「以上」の高さです。「バカ勝ち」は理想、現実は留学生も含め「ボロ負け」、撤退、撤収、短期で帰国、でしょう?
平等・公平・参政権・交通安全・医療・保険・家・土地・・・いや、それどころか日々の3食。子供の頃から全てが保障されていない「修羅場をくぐってきた」中国人にはどう足掻いても勝てないのです。「バカ」は性善説、平和ボケ、「アジアの盟主」気取りであった我々だったんです。
「正しい情報の提供?!郷に入っては郷に従え。嫌なら会社諸共日本に帰れ」中国人にどう反論します?
次回は(2)「事件を利用・悪用する連中がいる」という主張について反論させていただきます。