15年以上前
奇跡を信じたいまま大人になった人たちの協力のもと
サンタ登場計画は、3人のグループ活動からスタートしました。
きっかけは、入院していた2人の男の子同士の会話からでした。
4歳の子
「クリスマスは家に居いひんかったら、サンタさんに気づいてもらえへんし、早う帰りたい」
小学2年生
『サンタクロースなんていないんやで!?
お父さんが持ってきてくれるんやから、 どこにいても大丈夫なんやで』
4歳の子
『でも僕ね、前に保育園にサンタさん来たよ。あくし ゅしたもん!』
2年生
『お父さんにプレゼント言うとかなもらえへんで!』
4歳
『○○ちゃん嫌いや! 』
割とよくある会話だと、その時は苦笑いして眺めているだけの私でした。
後日、小学生のノートに書いてあった内容をお母さんに聞かされ、考え込みました。
(ノートに書かれていた内容)
『もし本当に、願いを聞いてくれるサンタさんみたいな人がいたら、
神様でもいいから、 ボクに手術をする勇気を下さい。 』
…嘘だとばれてもいいから、この子達の為に登場するサンタ用意したいなあ。
退院した友達と、もう一人も手伝って貰い計画は進められ、
25日の夜、夕食後に、病院側に大騒ぎをしない約束で
サンタクロースに変装したおじいさんが、静かに病室を訪れました。
間際で変身し、途中数人に出会いましたが少しざわついただけで子供達に会うことができました。
小さな男の子はもちろん興奮して大きい子の部屋まで連れて行ってくれました。
大きい子は
「どうせ偽もんやろ、日本語やんか」 と数回言っていたのですが、
『何で今頃(25日夜)なん?
プレゼント配るのは24日の夜やろ』
プレゼントを配り終えたから、会いに来てみたんだよ
『なんで?』
きみは、ノートでメッセージをくれただろ
『じゃサンタクロースかあ?』
いや、本当の名前はサンタクロースじゃないよ
みんながそう呼んでいるだけさ
『プレゼントくれるんちがうの?』
おじさんの仕事はおもちゃをプレゼントするだけが仕事じゃないよ、
おもちゃがどうしてもと言う小さい子は別だけどね。
君はおもちゃが欲しかったのかい?
『欲しかったもんは、もう買うてもろたで』
じゃあおじさんの仕事はここには無かったのかな、そろそろ帰るよ
『・・・・・』
『あんなあ! おれ強なりたいんや!』
『病気、手術しんと治したいんや』
おじさんは医者でも魔法使いでもないよ
君の心はもう十分に強い。
勇気は必要かもしれんな
『手術も注射も痛いんやで! くすりも苦いし、いっぱい飲まなあかんのやで、
退院したい!o(;△;)o』
手術しないともっと痛くなるんじゃないか?
もっと薬も増えるだろ?
『おっちゃんには、切って痛いのは解からへんやん!』
おじさんは年だから、あちこち痛いよ。薬もよく飲むし。
仕事中に大怪我もしたし
『・・・・・』
『ふつうのおじいやん』
『そんなんで世界中まわれへんし、やっぱり嘘もんや…』
一人では一晩で世界を回れないし、言葉も解らないからお願い事が解らない。
だけど世界中に仲間がいるから
『子供みんなにプレゼント配んのん?』
プレゼントを配るのが仕事と言われたら、本当は違うね
君には難しいかもしれないけれど、今ある幸せを家族そろって感謝する日がクリスマスだから。
君たちが言うプレゼントをくれるサンタクロースは、お父さん達だね。
『え〜・・・・・・???』
しばらくやりとりし
帰り際
『おじさん
体悪なったらこの病院きいや。よう治るで
おじさん、体気いつけや! むりしんときな!』
とまあ、宗教的な話になったのに会話が続いたなあと、私たちは感心しました。
その後数年だけ、 「サンタ登場計画」は
仲間を増やし、時には幼稚園や保育園に迎えられ、
ハロウィンの日に下見をかねて、魔女と一緒に手紙を配ったりして活動を重ねました。
おもちゃ等をねだる手紙の中には、時に切ない願い、おもしろい願いもあった為、時間をつくっては周りを巻き込み、幅広い年齢の人と共に活動しました。
このお話の後で、絵本なんぞを作ってまして、
娘が小学校に上がる前に清書し直しました。
宜しければ続きは
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