國破れて 山河在り
くにやぶれて さんがあり
城春にして 草木深し
しろはるにして そうもくふかし
時に感じて 花にも涙を濺ぎ
ときにかんじて はなにもなんだをそそぎ
別れを恨んで 鳥にも心を驚かす
わかれをうらんで とりにもこころをおどろかす
峰火 三月に連なり
ほうか さんげつにつらなり
家書 萬金に抵る
かしょ ばんきんにあたる
白頭掻いて 更に短かし
はくとうかいて さらにみじかし
渾べて簪に 勝えざらんと欲す
すべてしんに たえざらんとほっす
春望 杜甫(とほ) 作
《原文》
国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲不勝簪
戦乱によって都長安は破壊しつくされたが、大自然の山や河は依然として変わらず、町(土地)は春を迎える。
時世のありさまに悲しみを感じて、(平和な時は楽しむべき)花を見ても涙を流し、家族との別れをつらく思っては、(心をなぐさめてくれる)鳥の鳴き声を聞いてさえ、はっとして心が傷むのである。
戦争ではなく、自然に戻されてしまった大地だが、寒さを乗り越えて春はやってくる。厳しい自然と闘っている人たちが、現時もいる。
この写真は、知人がボランティアに行ったとき撮影した物。
平穏に生きていられる事が、恥ずかしくもあった自分を戒める為にも撮し、残して行きたいと言う。
これで終息したとは思ってはいけない、無いというほうがおかしいのだ。
次は関西?
九州?
何があっても、最悪の時に少しでもマシになるような努力をしていきたい。