先日ライカ m7のカメラを修理いたしました。
軍艦部の分解については 一見 m6に近い状態に 見えるのですが? m6よりは、かなりデリケートな作りになっています。
このカメラを、お預かりするにあたって、弊社では 電気基板の 調整 分解 交換は、できません
ということをハッキリ 見積もりの段階で ご了承いただき 修理作業を進めさせて頂きました。
写真を見ていただいても分かるように先ず、ファインダーの上に電気基板の司令塔であるcpuなるものがかなりの大きさでどんと構えていました。
修理依頼は ファインダーの清掃 並びに めくれあがった皮部分の修正です。
写真を見ていただいてもお分かりになるように、皮の裾が外向きにカールしています。
ボディの外観皮部分に関しては、とりあえず後回しにさせてもらい内部ファインダーから 取り掛かることにしました。
ファインダー 大窓の内側に、カビとカスミが見られました。
その部分以外にも、もう一つ奥側になるレンズがあり、カビ染みのような跡が残っていましたが、 バルサムに似た接着方法で貼り付けされている奥のレンズは、どうすることもできません。
いつもならこのバルサムの間もどうにか分解させていただき清掃させていただくのですが、今回上に乗っているcpuが邪魔で、ここを分解するためには基盤全体を本体から外さないと作業ができない状態です。
その際、かなりのリスクがあります! ライカm6でさえ、年月による経年変化やショックで露出計のメーターが不安定になる事がよくあるのに未知数である m7の電気基盤を一度取り外すと言うリスクは、当然受け入れがたいもので、今回は、できる範囲ということで ご了承いただくことが
私にとってもお客さまにとっても一番ベストなことだと感じました。
おそらくm7の修理は他の修理屋においても同じようなリスクを抱えているように感じます。
メーカーさんからのパーツの供給があるのであれば、試してみる価値はあるのかもしれません、但し今のご時世は、オフィシャルでしかパーツの供給が
できないものと考えています。なので結論から言うと完全にオーバーホールを試みるということは、メーカーさんにお願いするしかないと思います。
そしてもうひとつの依頼であるカールした革部分を再生するということなのですが、皮は保管場所が悪く年月が経つと 縮んだりカーリングしてきたりしますが、これを元に戻したとしても収縮具合によれば長さが足りないなんてこともあります。
今回は気付いた状態が早かったので なんとか修正を加えることができました。
M7を修理に出される時は、信頼関係とお客様自身のご理解もかなり必要なカメラとなってきます。
電子シャッターでもありますし、機械式カメラを 手がける 橋本カメラワークにおいては、修理をお受けすることは基本断ります。
ただできないことはないと言う 一例を 今回ブログに 掲載させていただいた 次第です。
また何か 珍しいものや 面白いものがあれば 報告いたします。
お読みいただきありがとうございました。
橋本カメラワーク橋本博