真夜中、窓を開けた。
その空気、音、温度、すべてが夏のはじまりを示していた。
夜はご飯を作っていても、食べていても、汗だくになる暑さだった。
エアコンは入れない。
暑がりの人には相当厳しいだろうと思う。
わたしもさすがに暑いと思うけど、
しばらくすると気持ちよくなってくる。
だれてしまってやる気が出ないとよく聞くけれど、
わたしは身体の奥の奥の奥の方から燃え上がってきて、
「情熱」みたいなものがはっきり感じられる。
なにか分からないけど、やる気に満ちてくる。
不思議だ・・・。
夏が終わって秋が来て、今日みたいな日が来るまでは、
わたしはこの感覚をすっかり忘れてしまっている。
夏が大好きなことは覚えているし、
やる気になることも覚えているけれど、
この瞬間を五官で実際に感じるまでは身体が思い出していないのだろう。
この愛しさは言葉にならない。
心が躍る。
心がときめく。
生きている。
わたしは生きているんだという感じ。
この幸福に感謝する。

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