ゾーン123のロータリー財団地域セミナー(報告)
(刀根荘兵衛氏のブログを転載)
本日、ロータリー財団地域セミナーが東京で開催された。全国から、ガバナー、パストガバナー、地区財団委員長をはじめ327名のロータリアンが参加した。
まず最初に、黒田正宏RI理事の挨拶があり、さっそくセミナーにはいった。朝9時からセミナーが始まり、夕方4時に終了という、びっしりとしたスケジュールだ。
プログラムは下記の通りだった。
ロータリー財団年度目標 RRFC 北 清治
ポリオを撲滅するという約束を果たす ZCC 江崎柳節
未来の夢計画と投資財政の現状 TRF管理委員 田中作次
毎年あなたも100ドルを RRFC 橋本 譲
恒久基金 ロータリーセンター大口寄付推進計画
RI元理事 渡辺好政
世界平和フェロースピーチ 外務省東南アジア情勢分析員 奥平章子
ロータリーカードの貢献 Rカードコディネーター 川妻二郎
新公益法人制度への移行 R日本財団理事長 岩井 敏
地区補助金と新地区補助金 RI日本事務局 財団室長 片岡暎子
〜〜〜〜〜昼食〜〜〜〜〜〜〜
パネルディスカッション 「学友を中心としたクラブ」
RRFC 川尻政輝
RFAC 佐原 元、古宮誠一、井上暎雄
かながわ湘南RC 初代会長 高木直之
大阪ネクストRC 初代幹事 杉浦功一
中部名古屋みらいRC 会長 川口 豊
〜〜〜〜コーヒーブレーク〜〜〜〜
質疑応答 RRFC 北 清治
RRFC 川尻政輝
RRFC 橋本 譲
TRF管理委員 田中作次
RI日本財団室長 片岡暎子
講評 RI元理事 南園義一
閉会
特に、今回は最近発足した財団学友を中心としたクラブによる拡大・会員増強と新地区補助金制度の説明などに重点が置かれたようだ。
パネルディスカッションによれば、日本で現在学友を中心としたクラブは3つほどあると言う。今回パネリストとして登場したかながわ湘南RCはじめ3つのRCは30数名の会員数で、平均年齢30歳代後半となっている。年会費は大体5〜7万円で、事務局なくも食事も出ない。例会場も会議室などを借りて安上がりで運営しているとのことだった。
事業は会員がチャリティーコンサートなどを行った資金で積極的な人道的な奉仕活動を行っているようで、皆さんロータリーに対する恩返しとボランティアに対する熱い思いが伝わってくるようなお話しであった。
また、若い優秀な人材を集めるための、会員増強の有効な切り札であることも併せて強調されたが、個人的には少し違和感を覚えた。
確かにいまは、それぞれのクラブの会員は若く情熱に燃えて、張り切っており、他の既存クラブも大目に見ているようだが、今後、それらのクラブが年を重ねるにつれて、ローターアクトのようなロータリークラブが果たして既存のロータリークラブと本当にうまくいくのだろうかという単純な疑問がわいてくる。
ロータリークラブは単にボランティア活動をするためだけにあるのでも、ロータリー活動を広報し認知度を高める為だけのものではない。
また、財団学友という名の一般職のサラリーマンを集めて、一体どのように職業奉仕をやろうというのだろうか。
時代錯誤と言われるかもしれないが、日本のロータリーの創始者米山梅吉氏は会員選考には特に厳しかった。当時の東京ロータリークラブには多くの財界人が入会を希望したが、米山氏のお眼鏡にかなわない人は入会できなかったという。
また、書類はすべて英語が中心で、英語ができない人は基本的に入会できなかったとも言われている。
誰でも彼でも、ロータリーに少しでも関係した者(財団学友、GSE、青少年交換、RYLA)であれば、サラリーマンであろうと何でも入れればよいという発想には、少し首をかしげたくなる。
これではロータリーの設立目的や職業奉仕理念を否定するような自殺行為としか思えない。
また、最後に質疑応答があった。
代表的な質疑を要約すると、次のようだった。
学友に関して:
1. 広範囲なテレトリーは将来無理が生じないか?
今は頑張っているというあいまいな回答
2. 全国の学友を集める機会を設けたらどうか?(さらに今後この種のRCをつくるために)
Rフェローズ東京は約500名ほどおり、今後検討したい
財団に関して:
1.パイロット地区の指導担当はだれがするのか
基本的にRRFC 連絡会も作る予定
2. MGはWFは資金が枯渇した時点でストップか?
そのとおり
3. その場合はDDFはどうなるか
DDFだけは使える
4. 財団の詳しい財務状況はどうなっているのか?
RI英語のホームページに詳しい Financial statement が掲載されている
5. 今後、国際親善奨学生という名前がなくなるというが、どうなるのか?
そのとおり。現在、名前を残してくれるように働きかけている
6. また、その場合、ホストクラブのカウンセラーもなくなると聞いているかどうか?
そのとおり。新地区補助金ではホストクラブのカウンセラーはなくなる。スポンサークラブのみが残る。
(これでは、財団学友とロータリアンの接点がなくなるではないかと質問者は反発したが、仕方がないとのこと)
7. ハンドブックにRIや地区財団委員会がロータリアンを指導するとあるのはまちがいでないのか?RIの会員はクラブであり、クラブの会員がロータリアンだ。
今後、誤解を生まないような表現にする
8. 今回ビルゲイツ財団の3億5千万ドルの寄付、ロータリー財団がそれに呼応して2億ドルを集めているが、一体ポリオはいつ撲滅できるのか?
いつ撲滅できるかはっきり言える人はいない。
いつできるかわからないが、兎に角撲滅できるように努力しようということだ。
9. 日本財団の新公益法人への移行はいつになるのか? そのめどを示してほしい
日本政府相手の交渉なので、いつできるかわからない。
現在、懸命に努力している。
以上のような質疑応答があった。
昨今、皆さんが一番懸念しているのは、R財団の財務状況だ。
田中作次氏より、フタ事務総長が先月発表しているR財団の財務状況を読み上げたが、それで本当に納得した人はいないだろう。
損失は、5月末現在で、1600万ドルくらいで、実際売らなければ損は出ないといわれても、それなら安心だと言う人は誰もいない。
現に、財団のキャッシュフローは底をついているとのことであり、一部投資を売却せざるを得ない情況ということであった。いつどれくらい売却するかはまだ決まっていないとのことであった。
また、今回の損失を受けて、投資について再検討する予定だということだが、今回の責任はだれも取らない。
一般の会社ならとっくに、経営者が責任を取らされているところだが、RIは誰もお咎めなし。
ちゃんとやっていたが、思わぬ事態で仕方がないというところだろう。
故佐藤千寿PDGがかつてこのように仰っていた。
他人の金を集めて、他人のために使うときほど、いい加減なお金の使い方をすることはないということである。
R財団などもその典型であり、責任は誰も取らない。
いや、もともと、責任を取るつもりで運営している人は誰もいないのだろう。人のお金を無責任に集めて、無責任に運用しているだけだろうから。
以上、辛口の感想でした。

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